元記事:blender.org - Blender 2.58
訳注:いつものように■がついているものが翻訳済です。レイアウトは再現していませんのでご了承下さい。
Blender 2.58
Blender Foundation とオンライン開発者コミュニティは謹んで Blender 2.58 を公開します。これは Blender 2.5シリーズ二つめの安定版リリースであり、数年来の再設計と開発・安定化作業の頂点でもあります。
私たちがこのバージョンを「安定版」と名付けたのは、ほとんどの機能が完成しているのもありますが、特に2.5ベータ版公開以来の、何千もの修正と機能の改善を行っているからです。
次の6週間も私たちはいくつか残っている2.5のターゲットの完成の作業を続ける予定で、ユーザからのフィードバックやバグ報告を期待しています。もしすべてうまくいけば、2.59が2.5シリーズの最終リリースとなり、大量の新規プロジェクトはエキサイティングサイクルであるバージョン2.6xで追加されます。今年は2か月毎のアップデートリリースを目標にしています。
2.57からの8ページにも及ぶ大量の変更部分のログはこちら!(新機能追加分のみ翻訳)
2011年6月22日
更新:Imageブラシによる3Dペインティングでのエラーに伴い、更新版がリリースされました。2.58aの変更点のフルリストをチェックしてみてください(改良点と重要な修正のみ翻訳)
2011年7月4日
Blender 2.5 シリーズロードマップ
2.58にあるもの
[wiki]
-安定性の大幅な改善。最後のベータから何百ものバグが修正されました。
-機能の完成 ― ただし、複数のウィンドウでの複数のシーンの表示、完全な RNA データレベルでの依存グラフ、円形メニューなど、いくつかの2.5の目標は延期されました(訳注:ツールシェルフのツール追加機能も延期になっています。ご注意下さい)。
-変更 ― 旧 Blender を使用していた方は、最初 Blender 2.5が全く違う物に見えるでしょう。ここを少し読んで、再設定する方法や、新しいビルトインの2.5サーチ機能の使用方法を学んで下さい。
[/wiki]
Open ToDo:ご協力お願いします!
最後の2.5xリリース目標に到する前に作業が必要な問題がまだまだあります。
[wiki]
-ひとつめ:このログをチェックして下さい。機能解説の一番下に''既知の問題''が書かれています。
-ふたつめ:[[私たちの Wiki の Todo:http://wiki.blender.org/index.php/BlenderDev/Blender2.5/Todo]] に、そのバグや問題が追加されていないかチェックして下さい。
[/wiki]
このことは、皆さんが既知の問題を報告してしまうことを防ぎ(私たちも助かり)ます。バグは BugTracker もしくは Blender 2.5内部の Help → Report a Bug から投稿できます。
ユーザインターフェイス
■GUI の更新
Blender2.5は新しいGUIレイアウトになり、グラフィックデザインが一新、新しいアイコンセットになりました。GUIのレイアウトはもっとわかりやすく、もっといい構成に、そしてもっと簡単にナビゲートできるよう再設計されており、さらに Python スクリプトで完全にカスタマイズできるようになりました。新しいファイルブラウザやカスタマイズ可能なツールシェルフなど、他も改善されています。続きを読む
■カスタムキーボードショートカット
Blender 2.5はユーザ自身のキーボードショートカットが設定できるようスクラッチから設計されています。キー定義は「キーマップ」にグループ化され、それぞれのマップはすべてのカスタマイズと保存が可能です。また、キーマップにはジェスチャイベントや様々なキーの特殊キーとしての使用、キーの同時入力などの特別な入力方法も設定できます。続きを読む
■アドオン
Blender 2.53に私たちは Blender を Python スクリプトで拡張する新しい方法を実装しました。これらは "Add-ons" として配布・格納され、各々別個にON/OFFを選択することができます。これはインターフェイスをクリーンに保ち、うまく統合するのに役立ちます。
コンプリート Add-on リポジトリをチェックしてみて下さい。
内部アーキテクチャ
■データアクセス
現在、.blend シーンファイル内のすべての内部データ、個々の頂点から内部オブジェクトの関係、Composite ノード の UI の位置までが、一貫したシステムからフルアクセス可能になりました。
UI のコントロール、Python スクリプト API、アニメーションシステムなどから、シーン内のすべてのデータのアクセスと編集を一貫して行うことができ。それと同時にコンテクスチュアルヘルプやその場でのキーフレーム挿入、Driver の式の編集、現実世界の計測単位といった、より強力なインタラクティブ性とフィードバックを提供しています。続きを読む
■ツールシステム
"Operator" は、Blender のツールの新しい汎用の定義です。これはファイルの Load/Save 、UI レイアウト管理から、オブジェクトやそのデータの追加・編集までに及びます。Operator は汎用であるため、ホットキー、メニュー、ボタン、Python から一律で呼び出せます。Operator は検索、連続実行(マクロ)可能で、リアルタイム更新により、インタラクティブな編集を提供します。続きを読む
Windows、Linux & OS Xの64ビット版
Linux と Windows の次に、OS Xの64ビット版もサポートしました。Cocoa に対応するため、ローレベルのウィンドウライブラリの完全な書き直しが必要でした。これは Mac における Blender の未来にとっていいニュースです!
Python スクリプティング
Blender 2.5の Python スクリプト API が完全に一新されました。ユーザが UI を通じて操作できる全て(データ、オプション、ツール)を、スクリプト作者も利用できるようになりました。スクリプトはインポータ・エクスポータ、カスタムツール(「オペレータ」)、他のレンダリングエンジンへのアクセス、UIの拡張などをさまざまな方法で使用できます。
次の2.58リリースまでには、データの変更や UI のリフレッシュなどを追跡できる内部ノーティファイアとイベントへの APIからのアクセスが完成する予定です。
モデリングツール
■Sculpt と Multi-res
Blender の SculptMode が最適化され、描画・編集パフォーマンスが目覚ましく向上、さらにメモリ使用量も減り、より精密なモデルに対応できるようになりました。
新しいツールが追加され、既存の物も改良されました。マルチレゾリューション(Multires)Mesh も書き直され、モディファイアの一つとして、アニメーションシステムとうまく統合して利用できるようになりました。また、Mesh トポロジーの編集中、変形を別に保持できるようになりました。
■ペイントブラシ
Blender のペイント作業時の Brush へのアクセス方法が改善、合理化されました。Brush にはサイズや強さ、ツールタイプ、テクスチャ、影響カーブといった、ペイントに関連する設定がすべて格納されるようになり、Brushリストボックスもしくはショートカットキーで切り替えできるようになりました。Blender のプリセットの Brush 同様、自分用の Brush も保存可能で、ショートカットキーを割り当てることもできます。
■Sculpt ブラシとストロークの改良
Blender 2.53 Beta では、ブラシとストロークのシステムが大幅に改良され、双方とも質的に使用に耐える物となりました。
■Solidify モディファイア
Blender 2.5に Solidify モディファイアが入りました。薄っぺらい Mesh のデータを破壊せず、厚みをつけることができます(他のアプリケーションの「Shell」モディファイアのようなもの)。シンプルな薄い Mesh サーフェスをモデリングするだけで、Solidify モディファイアが自動的に押し出し、立体的な厚みをつけてくれます。
アニメーションシステム
■F-Curves、Actions、NLA
2.5の仕様の一つに「すべてをアニメーション可能にする」があります。この言葉は、単に移植するだけのようには簡単にはいかないことを暗示しており、大幅な再設計がいくつか必要でした。個々のプロパティは F-curve でアニメーションされ、Action にまとめられ、そしてデータを破壊することなく、NLA エディタでインスタンス化、レイヤー化、ミックスできます。Noise や Envelope のようなエフェクトを F-curve モディファイアにより、アニメーションカーブや NLA クリップに追加することもできます。続きを読む
■アニメーションエディタ
Blender 2.5ではアニメーションエディタは新しい Graphエディタ、複数のオブジェクトと F-Curve の同時表示対応、シーンの広範囲をカバーする DopeSheet、再設計された Non-Linear Animation(NLA)エディタ、シェイプアニメーションの新機能、Driver、Expression、Keying Set により完全に刷新されました。続きを読む
■スプライン IK
Spline IK は、Curve に沿って Bone のチェーンを整列させる Constraint です。特に尻尾、触手、背骨などの体の柔軟な部分のリギングに適しており、また、ロープのような無生物な物にも有効です。続きを読む
物理演算
■煙シミュレーション
Blender 2.5には流体ベースの新しい煙シミュレーションエンジンがあります。これはウェーブレットの渦による細部を保持しつつ、低解像度のシミュレーションをスケールアップします。Smoke は Particle の動きを入力することで生成でき、衝突する障害物や Force Field による影響を与えることも可能です。Smoke のデータはボクセルとして出力され、一つの Volume としてレンダリングできます。続きを読む
■Particle
Particle システムがリフレッシュされ、完全にインタラクティブなアニメーション再生と編集ができるようになりました。新しい追加には、Brush ツールによる Particle Path 編集、新しいポイントキャッシュシステム、新しい Boid Physics と、Cloth シミュレーションを使用した Hair ダイナミクスなどがあります。続きを読む
レンダリング
■ボリュームレンダリング
Blender 2.5には Particle や煙、雲、火など気体のレンダリング用に Volume Material があります。すべてのプロシージャルテクスチャがデータソースに対応しており、また、ボクセル(Smokeシミュなど)とポイントクラウドのレンダリング用の、二つの新しい Texture(Voxel、Point Density) もあります。様々なシェーディングオプションもかすかな霧状のボリュームから物理ベースのスキャッタリングとセルフシャドウまで利用可能です。
続きを読む
■レイトレーシング最適化
Google Summer Of Codes の一部として、レイトレースの加速システムが完全にオーバーホールされ、目覚ましい効果を上げています。現在複数の BVH ベースの加速構造体が使用可能になり、アーティスト的にいうと、いくつかのシーンのレンダリングでは10倍以上高速化されます!続きを読む
■カラーマネージメント
Blender 2.5にはカラーマネージメントの最初のバージョンが搭載されています。現在レンダーパイプライン中に、リニアなワークフローが保証されるよう制限されています ― ガンマ補正された入力はレンダリング前にリニア化され、レンダラとコンポジターはリニア RGB 色空間で作業を行い、Image エディタに表示するために sRGB 色空間にガンマ補正されて戻されます。
将来的にはディスプレイプロファイルの対応、LUTs、粒子感の少ない入出力変換方法のコントロールなどが予定されています。
■その他のレンダリング機能
2.5にはバンプマッピングや Image Texture のフィルタリングの改善、Deep Shadow マップの最初のバージョン、カラーマネージメントシステム(リニアワークフローへの統合)などのレンダリング機能が追加されています。続きを読む
その他
その他このページにドキュメント化が必要な新機能があります。(訳注:未翻訳です)
・インストールパスなどの仕様変更
・Windows版:Blender がコマンドウィンドウなしで起動するように
・外部レンダリングエンジン API
・Pythonインタラクティコンソール
・Image エディタでの解析表示
・トップヘッダのノンブロッキングレポート
・Screw モディファイア
・Fluid パーティクル
・ネットワークレンダラ
・UIのゲームエンジンモード
・Approximate(AOの)Indirect Light
・Sequenceエディタのコアの改良:高速化と必要メモリ量の削減
・GameLogic/Audaspace GSoC プロジェクトのマージ
・メモリからバイナリデータを .blend として読み込む
・Windows用インストーラが2.56からデフォルトで%USERPROFILE%にインストールするように
・COLLADA 対応の大幅に安定。Mesh、Material、Light、ノード構造が改善されています。
・BVH モーションキャプチャエクスポート
・SVG ベクターグラフィックスのインポート
・Windows と Gnome デスクトップ環境用 Blend ファイルサムネイル
修正済みの問題
Blender 2.56 Beta以来、多数のバグが修正されています。これには Particle、Sequencer、スクリプト API、3Dビュー、Outliner、ホットキー、キーボード、GUIの問題、その他多くの物があります。(訳注:未翻訳です)
・Since 2.56a Beta
・Since 2.56 Beta
・Since 2.55 Beta
・Since 2.54 Beta
・Since 2.53 Beta
既知の問題
すべての問題の修正に尽力していますが、私たちが確認しているいくつかの物はまだ修正されていません。Blender Wiki 内の私たちが保守している物すべての概要
[wiki]
-Intelのオンボードグラフィックチップ:新しいウィンドウ(Userプリファレンス、レンダーウィンドウ、ウィンドウの複製)を作成するとクラッシュする可能性がある
-アドオン:Keymap の変更が .blend ファイル読み込み時に消える。
-Shape-key Driver: 2.57より前に作成された Driver の問題の解決は、"Helpメニュー → driver fix" を使用してください…以前は 'rna paths' が間違っていたためです。
-Fcurve モディファイア:2.57より前のバージョンでは、"DNA" なしで保存されていました。つまり、違うエンディアンや違う32/64ビットOSのシステムでは読めないということです。修正するには単に(同じシステムの)2.57で保存するだけです。
[/wiki]
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2021/07/01版
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