Video Sequence Editor

Sequence Editor に多くの作業が行われました。下記がその概要です。

アーキテクチャ

Sequencer が同時に使用するメモリをキープするメモリキャッシュリミッタにより、レベルと両立してリアルタイムに近い状態で編集できるように。

何時間もの時系列の編集が可能に。

Sequencer が完全に浮動小数点数(float)画像に対応。32ビットと float を自由にミックスでき、float にして出力することもできます。

ユーザインタフェイス

インタフェイスの表示と使いやすさが向上。(Strip の色が Theme で変更可能に)

Preview Display にチャネルチューナー(Channel Tuner：どのチャネルを表示するかを指示する物。ヘッダ内のリストボックス)が付きました。

Preview Display で波形図(Waveform plot)とU/V 散布図(U/V Scatter plot)を表示できるように。

Preview を中マウスボタンで平行移動できるように。

Ipo をフレームカウンタの値でロックできるように。

Linux: FFMPEG サポート

長い時系列のディスクオーディオトラック(HDDAudio)

FFMPEG 使用により、多くの音声と動画ファイルフォーマットを開くことができるように。

FFMPEG を使用し、様々なファイルフォーマットにレンダリングできるように。

FFMPEG を使用し、直接音声・動画を統合できるように。

注意：Windows/OS X の FFMPEG 対応は次のリリースを予定しています。

その他…

Frameserver を使用し、外部アプリケーション(プラグインの入った TMPGenc など)に高品質かつカスタムのエンコードパイプラインで直接レンダリングできます。

様々な色補正プラグインが同梱されるように。

大量のバグ修正と最適化。

実装ノート(訳注：翻訳していません)
peter.schlaile.de/blender/sequencer/

新しいビデオビュワーオプション

Chroma Vectorscope

Luma Waveform

(訳注：顔アイコンにあります)
Chroma Vectorscope(クロマベクトルスコープ)
色の分布と彩度(飽和度)の品質を判断するためのもので、U/V 分布図(U/V scatter-plot)も表示できます。

画像は YUV フォーマットに変換され、U と V の値がその色の角度を表しています。画像内の各ピクセルは、ディスプレイ中の U値とV値の位置に一つの点として表示されてグラフとなります。

もし複数のピクセルが同じ U/V 値を持っていた場合、そのピクセルは明るく表示されます。どの色を修正すべきかを判断するのに役立つよう、六角形で端点(赤、マゼンタ、青、シアン、緑、黄)が描画され、原点に赤い十字が描かれます(訳注：実際のリリース版では赤いボックスになっています)。

しかし、何の役立つのでしょうか？

もし画像が非常に地味、もしくは彩度の低いものに見えるなら、U/V 図を見るべきです。多分、すべてのピクセルが原点に群を形成するのを見ることになるでしょう。もし "Gamma" プラグインを使用して彩度を加えるなら、その色を変更するかどうかをこの U/V 図で見ることができます。

もしカラーマッチングを手作業で行う場合、違うチャネルの monitor で見て、その角度をあわせることができます。

注意：最終結果の追加のコントロール monitor を有効にすることを忘れないで下さい。カラーキャリブレーションは趣向の問題であり、あなたが望むものに依存します。

Luma Waveform(輝度波形)
ビデオ信号全域の輝度の分布のクオリティを判断するためのもので、通常のコントロール monitor 毎の出力表示の代わりに、Luma-waveform を見ることができます。

この表示はすべてのスキャンラインについて、輝度の値を図にします。線はすべて重ねて描画され、線が重なるところは明るくなります（これは何百ものスキャンラインでは非常にありうることです）。
あなたがオシロスコープをテレビのビデオ出力の輝度端子とつないだら、この画像を一番よく理解できるでしょう。大体同じようなものを見ると思います。

しかし、これが何の役に？

もし、波形が全体を覆わなければ、これが全体を覆うまで、"Gamma" プラグイン(訳注：最後で述べます)の "setup" と "gain" マスタースライダを調整することになるでしょう(コントラストは自動的に伸張されます)。

より進化した Gamma プラグインにより、どこの彩度を減らすべきかを判断できます(特に暗い領域に有効です)。

完全にグラフ化され、最大値もしくは最小値でクリッピングされているため、すべてをダンプすべきかどうかを判断できます。
(訳注：原文は "You can judge if you want to dump the whole thing since it is completely distorted and clips at the top or the bottom.")

サンプル

この Blender Video Sequence Editor の新機能は、Blender のプレリリースの段階ですでに制作に使用されています。

開発者、Peter Schelaile氏はいくつか2時間のムービーを作成されています(4つの独立したカメラソースを使用したライブ映像)。FFMPEG を入力とし、内部で色補正をして、TMPGenc へ出力しています。

エレファンツドリーム(11分短編)。Orange オープンムービープロジェクト制作。完全に Blender で編集されました。

Divine Application(3分短編)。Karl Erlandsen氏により Blender で編集され、Maya と Shake と共同で使用されました。

デモファイル
3つのカメラソースをそれぞれを背景としてフェードアウトする基本デモ
このサンプルでは主に、IpoWindow をメイン Timeline Window でロックしたり、Channel Tuner を使用し複数の入力チャネルを同時に閲覧したり、Ipo を Frame Lock でコントロールするなどの、基本的な編集の改良を見せています。

訳者による追記