Blender.org
Blender.org : 2023年に期待されるプロジェクト
元記事:Projects to look forward to in 2023 ? blender.org
Ton Roosendaal 氏による記事の翻訳です。
今年も Blender は興味深い物となるでしょう。blender.org コミュニティがコアの機能の安定性の維持と更新を続ける一方で、特筆すべきプロジェクトがすでに開始し、(上手く行けば)今年に現実化する物と思われます。
Vulkan と Metal 対応
Blender の開発者たちはすでに何年もの間、新しいクロスプラットフォームの Vulkan グラフィックスライブラリへのコードの移植を行っています。OpenGL は数年以内に業界で廃止される予定です。
成功者である "Vulkan" はマルチスレッディングやレイトレーシングなど、OpenGL では不可能な多くの機能を提供することが期待されています。Blender Foundation は開発時間をつぎ込み、このプロジェクトを2023年内に完成させることに全力を尽くしています。
同時に、この開発を利用し、Apple のエンジニアたちが MacOS にて Blender が Metal グラフィックス API と完全な互換性を持たせるよう取り組んでいます。これはレンダリング(Cycles、ビューポート)と、UI 全体の描画に適用されます。このプロジェクトは2023年に完了すると思われます。リアルタイムビューポートコンポジティング
このプロジェクトの狙いは、GPU アクセラレーションを活用し、リアルタイムのインタラクションに必要なパフォーマンスを持つ、新しいコンポジターバックエンドの開発です。
最初の段階として、このバックエンドを新しいビューポートコンポジターに使用する予定です。これはコンポジターのノードツリーを直接3Dビューポートに適用します。アーティストはコンポジティングを開始するのにレンダリングを待つ必要がなく、高速でインタラクティブな試行錯誤が可能になります。
長期的な目標は、GPU パワーを既存のコンポジターにもたらすことです。
・Real-time Compositorブラシアセット
Blender のアセットシステムとブラウザーがペイントとスカルプト用のブラシに完全対応しました。これにより、使用や作成、他の人とのブラシのバンドルの共有が簡単になります。
・Brush and Asset Drafts
・Brush Assets WorkflowBlender Apps
Blender の Python スクリプティングを使用した、非常に高レベルなカスタマイゼーションのおかげで、Blender を皆さんの UI とエディターレイアウトで一から構築することができます。.blend ファイル(アセット、データ)の添付との組み合わせにより、カスタムツールや一連の体験を作成できます。
・Blender Appsエクステンションプラットフォーム
Blender Foundation は、アドオンやテーマ、キーマップ、アセットライブラリを共有、発見、ダウンロードできる公式なコミュニティ管理のウェブサイトを立ち上げる予定です。
このエクステンションサイトは GNU GPL 準拠のソフトウェア、または CC-BY?SA 互換のコンテンツのみ提供し、商業化は行いません。これは blender.org に作品をフリーで共有したいアーティストとアドオン開発者の興味を引くのを狙いとしています。たとえ彼らが同じ、または同種の拡張で収入を得るために他のサービスの使用を選んでいたとしてもです。
・Blender Extensions PlatformEevee Next
Blender 2.80の導入以来、Blender のリアルタイムフォトリアルレンダーエンジンの EEVEE はずっと進化を続けてきました。目標はアセット作成と最終レンダリングの両方に適した、広い範囲のワークフローに対応することでした。しかし、最近の革新的なハードウェアのおかげで、多数の新技術が生まれ、EEVEE がそれらを活用できるようになりました。
スクリーンスペースグローバルイルミネーションや、ハードウェアレイトレーシング、ボリューメトリックレンダリングの改善などの新機能が期待されます。
・EEVEE’s Futureシミュレーションノード
昨年ジオメトリノードがヘアーに対応したのに伴い、今年はノードによるリアルタイムシミュレーションに取り組んでいます。この機能を作成するため、ビューポートが一定間隔の(物理)時間で実行し、編集中も物理演算システムの継続的な更新が提供されるようになります。
・Geometry Nodes Workshop 2022Gitea による developer.blender.org のアップグレード
現在、Blender の開発者は "Phabricator" ウェブサイトを使用し、プロジェクトの管理と問題のトラッキングを行っています。残念ながら、そのソフトウェアの開発が中止されており、いい代替を探していました。
github に似た、完全にフリーかつオープンソースのソフトウェア管理プロジェクトである、Gitea プロジェクトの使用を選択しました。
Blender の20年にも及ぶ歴史をこの新しい(git ベース)のソフトウェア管理システムに完全に移行するのが主な仕事です。移行は今年2月と予想しています。
・Gitea Diaries: Part 2キャラクターアニメーション
アニメーションとリギングが、特にコアの設計を現在判明している、そして今後数年間で必要となると予想される仕様で完全に作り直されています。
これには大人数の開発者グループとエキスパートアニメーターが参加しています。キックオフは前回の Blender Conference からで、下記にそのレポートがあります。
・The Future of Character Animationほかにもたくさん!
グリースペンシルチームは野心的なプランを用意し、エキサイティングなテクスチャペインティングとスカルプティングのスピードアップも現れ、 Hydra デリゲートや他の USD 改善も開発中です。
まだ具体的なロードマップもリソースもないプロシージャルテクスチャプロジェクトも目標の一つです。
大半は Blender Code ブログにて読むことができるようになるでしょう。
一同を代表し、2023年が素晴らしい年になりますように!
Ton Roosendaal、Chairman Blender Foundation
- 2023年に期待されるプロジェクト (2023年01月12日)
- 2022年のトップ27コミッター (2023年01月03日)
- Ton 氏の BC2022での基調演説(11/18追記) (2022年10月29日)
- Blender Conference 2022始まる (2022年10月27日)
- 数年ぶりに Blender Conference の開催が告知される (2022年04月21日)
- Blender.org と他いくつかのサイトに改ざんの恐れ (2021年03月16日)
- BCON20のお知らせ(とお詫び) (2020年10月16日)
- Blender Foundation 最高責任者の Ton 氏がしばらく療養を宣言 (2020年03月10日)
- 2020-2025のリリースプラン (2020年03月04日)
- Blender.org のサーバーが DDos 攻撃でダウン (2020年01月31日)
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