Blender.jp

すでに多くの方が Blender 2.8のデイリービルドを見たことがあると思います。私たちは Blender 用の新しいツールバーとウィジェットシステムに取り組んでおり、その理由と私たちのプランについて説明するのはいいことだと考えました。

目標

ツールとウィジェットにおいて、達成したい目標をいくつか設定しました。

様々な Blender のモード間での一貫性の向上。

移動、回転、拡縮に限らず、もっと多くのツールでマニピュレーターウィジェットを利用可能に。

ショートカットだけでなく、Blender をもっと視覚的な方法で使用可能に。

細かいところにもこだわり、ツールインターフェイスの適合と仕上げの基準を高く設定。ツールの使用はスムーズかつ満足と喜びを与えるものにする。

非常に重要：Blender のキーボードにフォーカスした効率的なワークフローの維持に尽力する。

問題点

多くの経験者のユーザーにとっては自明のことですが、旧ツールバーは実際にはあまり使える物ではありませんでした。
Blender 2.79以前で、ツールバーの「Translate」ボタンからオブジェクトを移動するとします。基本的にこれはうまくいきません。なぜならすぐさまマウスカーソルの移動を入力として解釈し始め、そのオブジェクトが左に移動できないためです。他のツールの多くも同じです。私たちはこれを修正したいと思っています（訳注：マウスカーソルが画面上をループするため、実はそこまで不便でもありません）。

グリースペンシルツールやスカルプトツール、ペイントツールなど、ユーザーがアクティブなままにしたいツール類に取り組む方法に一貫性がないこと。これらにはお互いに互換性のない、様々な違う方法で動作しており、これらのツール作業を統合・効率化したいのです。

旧ツールバーは多くのスクリーンスペースを使用すること。私たちは常にユーザー作成コンテンツに従った UI クローム（訳注：UIやコンテンツの周囲の部分）にし、不必要な領域を取らないようにしたいと思います。

デザイン

私たちは Blender の愛すべきホットキー由来のワークフローを妨げることなく、多数のツールでウィジェットの使用が可能なデザインに着地しました。Blender の全モードで一貫性を持って動作可能な物を作り上げているところで、スリムさと伝達能力を両立したツールバーを持つ予定です。

以下は制作中の物のプレビューです。

新しいツールバーと旧ツールバーの比較です。新しい物はシンプルでスクリーンスペースをあまりとりません。旧ツールバーは主にすでにメニュー内にあるコマンドのレプリカで、その大半は必要ありませんでした。



ご覧のとおり、ツールバーを一列のアイコン、二列、アイコン＋テキストで表示できます。



様々なモードでのツールバーのサンプル。

アイコンデザインは Aslam Cader 氏

技術メモ：このサイドバーはまだ Blender 内の完全なリージョンの一つです。ここでは半透明で描画されていますが、不透明にして違う見た目で表示することもできます。



ツール設定はトップバーに入りました。これには多くの利点があります。
3Dビュー以外にもアクティブツールを持つことができるようになり、さらにツールバーを完全に隠しても作業を継続できます。下は様々なツール設定のトップバーのサンプルです。



様々なツール用に作成中のウィジェットのサンプルです。



まだ作業中ですが、一貫性があり、簡単で楽しく、Blender の有名なホットキーによるワークフローを妨げたり、衝突しない物を構築できたことに自信を持っています。

開発作業の大半は、Blender のツールとコードを知り尽くした人物、Campbell Barton 氏によります。アイコンは Aslam Cader 氏によってデザインされ、私はユーザーインターフェイスの作業をしています。私たちはこのプロジェクトに非常に興奮しており、みんな完成が待ちきれなかったため、ユーザーの皆さんにこの記事をお届けすることにしたのです。

それでは。

William Reynish

注意：Blender 2.8はまだ作成途中です。Blender 2.8のデイリービルドにある物は未完成です。多くの部分がまだ作業が半分ぐらい、あるいはまったく手がつけられていません。