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Blender.org : 2015年に行われる18の Blender 開発プロジェクト予想
元記事:18 anticipated Blender development projects of 2015 - blender.org - Home of the Blender project - Free and Open 3D Creation Software
上記リンク先の記事の翻訳です。遅くなってすみません。
外でちょこちょこと作業していたのですが、Androidでの翻訳作業はまだ不慣れで困ります。
これは2015年、Blenderに予想される18のプロジェクトのリスト(順不同)です。これらの大半はすでに開始していますが、まだいくつかは設計やアイデア段階です。
大半のプロジェクトは Blender Foundation Development Fund や Blender Institute の支援を受けています。Blender Cloud 参加者とオープンムービー支援者の皆さんのおかげです。
これは実に見ごたえのあるリストで、どれも2015年に起こるのが楽しみです! ただし、年末のリストアップ(訳注:元記事は2014年12月31日)はどれも、主観的かつ個人的なまとめであることを覚えておいてください。世の中には驚くべき隠し玉を用意している開発者がいるに違いありません。
blender.org を代表し、新年のお祝いを申し上げます!
Ton Roosendaal ― 2014年12月31日、アムステルダムにて
Dependency Graph(依存グラフ)
このプロジェクトの重要性については疑いようがありませんが、説明や振興のむずかしいもののひとつでもあります。
単純にこのように考えてみて下さい―「依存グラフ」は Blender のコア・アニメーションエンジンで、信頼性があり、スレッド化された、リンク可能で機能で、確実に作業を更新し、しかもあまり大きなトラブルに出くわすこともないのです!
私たちはアーティストが後の10年間、Blender のアニメーションを使用(酷使)するのを、大量のシミュレートやその他の方法で予測しています。
担当:Sergey Sharybin 氏, Joshua Leung氏
2015年での実現確率:100%Multi View(マルチビュー)
立体視(マルチビュー)映画のブームは過ぎましたが、当分の間、立体視映画には十分な付加価値があることに疑いの余地はありません。
この機能を得るということは、 ビュー、UI描画 、画像処理システム、動画入出力、レンダーエンジン、コンポジター、シーケンスエディタの作業を行うということです。現在は膨大な仕事が完了し、2.74にマージされる予定です。
担当:Dalai Felinto 氏
2015年での実現確率:100%OpenSubdiv
OpenSubdiv は GPU でのサブディビジョンサーフェスの生成と描画を可能にするライブラリです。
昨年の夏、OpenSubdiv の Blender ブランチのリリース準備ができていましたが、パフォーマンスの理由により、Pixar から 新しい OpenSubdiv がリリースされるのを待つことにしました。そのリリースは2014年Q4が予定されていましたが、2015年Q1からQ2あたりになりそうです。
担当:Sergey Sharybin 氏
2015年での実現確率:90%Alembic
現在、多数の別々のキャッシュフォーマットを Blender のアニメーションや物理演算に使用しています。Alembic ライブラリ(ILM/SPI 製) は、そのすべてを一つのコンパクトな圧縮フォーマットに置き換えるために設計されました。さらに! 現在このフォーマットは、映画とアニメーションパイプラインで最もポピュラーなのです(ゲーム業界の皆さんも目を覚まし、同様の何かに対応しましょう!)。
担当:Lukas Toenne 氏
2015年での実現確率:90%(Blender のキャッシュ用)Manipulator(マニピュレータ)
Blender は古い病―ボタンパネルに苦しんでいます…これはすべての大型3Dソフトウェアスイートが苦しむ伝染病の一つです。メニュー化、タブ化、アイコン化、ショートカット化を試みても、単にこの病気を許容範囲(近く)に留めるのに役立つだけです。しかし、治療法はあります!
実際の目標は、ボタンやパネルの追加を根本的に見直し、UIをビュー、そして実際に作業を行う UI の領域に奪回することです。
私たちは現在、Blender 内で(Python でコントロールする)汎用のビューポートウィジェットシステムをテスト中です。これはまず、キャラクターリグでテスト・使用される予定です。
担当:Antony Ryakiotakis 氏
2015年での実現確率:まだプロトタイピング・設計中ワークフロー
私たちの知る限り、Blender のスクリーンには多数のボタンがあり、すべてに多数のオプションが存在し、もはやショートカット用のキーが見つからない状態になっています。
単一の設定に対し Blender が大きく成長しすぎたこと、個人ごとの違いが大きすぎること、そしてある一つのデフォルトは、一つのリファレンス状態にのみ依存するのがいい、ということを認めないといけない時が来ました!
解決策は古き良き設計活動に戻ることです。クリエイティビティはうまく設定された制限から生まれ、無制限の選択肢からは生まれません。「デフォルト」を抜け、「ワークフロー」に入りましょう。
担当:Jonathan Williamson 氏と UI チーム、Blender 101コードワークとの共同作業
2015年の実現確率:とりあえずプロトタイピング・設計のみBlender 101
「Blender 2.5プロジェクト」は2009年に行われました。Blenderは大成功を収め、メディア産業から本格的な注目と関与がなされました。
まだ2.5用の完了していないコード作業があり、大半はエディターと UI 全体(レイアウト、キーマップなど)の詳細設定に関する物です。ちなみに Python コードです!
この目標を達成するためのコンセプト証明として、私たちは "Blender 101" プロトタイプのリリースを考えています。これは完全にリリースの互換性がある、高校生に3Dを教えるために設定された Blender バージョンです。
担当:Campbell Barton 氏、Bastien Montagne 氏
2015年の実現確率:90%(プロトタイプ)メッシュ編集ツール
メッシュ編集ツールに様々な方法によって革新が起こり続けています。さらに驚くべきことに、Blender ではこれが Python API の使用とアドオンのリリースによって始まったのです。
モデリングが効率的になった時も、例えばペイントツールにスカルプト、リトポ、UV展開と、私たちにはまだ Blender にすべきことがたくさんあります。Campbell Barton 氏(メッシュモジュールのリードコーダー)が2015年の数か月を予約し、メッシュツールの作業を行う予定です。
担当:Campbell Barton 氏
2015年の実現確率:なんと100%Viewport(ビューポート)
Blender は初期の20年前から、ずっと OpenGL を使用してきました。今現在もあるビューポートは OpenGL 1.0のスペックを考慮して設計されてきました。それを本当に更新する時がやってきたのです!
この作業は API の追加、描画のコアの機能の再設計といった、非常に技術的で大きなパートであるため、実際の恩恵を目にするまで少し時間がかかりました。
2015年に実現できるのは、ワークフロープロジェクトと足並みを揃えた設定ができる、シェーダベースのビューポートです。スカルプター、モデラー、アニメーター、コンポジター、ゲームデザイナーなどが全員、3Dワールド内に自分好みの便利なビューを持つことができるようになります。
シェーダの GLSL スクリプトを手動で編集可能ですが、このためのちゃんとしたノードエディターも作成すべきでしょう。
担当:Jason Wilkins 氏、Antony Ryakiotakis 氏
2015年の実現確率:95%ヘアーとパーティクル
Gooseberry オープンムービープロジェクトでは、アニメーションキャラクタ用に洗練されたヘアーとファーのコントロールが必要です。私たちはコントロールを改善する新しいコードで部分的に置き換えることにより、今も旧システムの修正と更新の真っ最中です。
Bullet を使用した正しい衝突判定を含み、新しくヘアーの物理シミュレーションのコントロールが大幅に改善されます。また、ヘアー編集モードやキーフレーミングも改善される予定です。
理想はすべてノードシステムにするつもりでした。現時点でその結果はまだ不確定です。
担当:Lukas Toenne 氏
2015年の実現確率:シミュの作業は100%、ノードは50%Everything Nodes(すべてのノード化)
パーティクルノードをどうにかしようとする一方、私たちはモディファイアーノード、コンストレイントノード、トランスフォームノード、生成モデリングノードなどを持つことを検討すべきです。
そして ― なぜその後に一つのシステムに統合しようとしないのか? 多数の検証作業と設計作業がまだ必要です。Pythonスクリプト使用者がこれをすでに(部分的に)どうにかしているのを見て驚き、着想を得ました。
担当:Lukas Toenne 氏、Campbell Barton 氏など
2015年の実現確率:不明アセットブラウジング
Blender はすでに他の .blend ファイルのデータを多数リンクし、複雑なショットを作成できます。非常に抽象的で、基本的な物ですが。
私たちが必要なのは、ツールの追加や、これをうまく管理するための新しい枠組みなどにより、この機能をもっとユーザにわかりやすくすることです。
すべてのリンク、再利用、アペンド、リビジョンや「レベルオブディテール」バージョンの管理、さらにプリセットのアセットと一般的なアセットライブラリの管理を行うエディターを作成中です。
担当:Bastien Montagne 氏
2015年の実現確率:98%
Blender Asset Manager + Cloud
Blender サイドのアセットブラウザの作業に伴い、サーバサイド(イントラネットまたはインターネット)の作業も行う必要がでてきました。
このために、現在 Blender Cloud ウェブサイトを稼働中で(これは Gooseberry オープンムービーの制作プラットフォームにもするつもりです)、真のオープンプロダクションシステムにします。
現在、film svn(レンダーファーム用ショット、またはアニメータ用のジョブ)の一部の効率的なチェックアウトの作業が完了しています。進行状態のロギングとレビューも短期間ターゲットの一つとなっています。
担当:Francesco Siddi 氏、Campbell Barton 氏など
2015年の実現確率:100%(私たち自身が必要なため)PTex 対応
PTex は Disney のライブラリの一つで、あらかじめ UV 空間に展開しなくても、メッシュ上への画像テクスチャの対応を行ってくれます。
これはワークフローを大幅に最適化しますが、まだ(Blender で)動作可能かどうかを確認しないといけません。
編集(ペイント、ベイキング)とレンダリング(Cycles)の作業が完了する予定です。
担当:Nicholas Bishop 氏
2015年の実現確率:90%Compositor Canvas(コンポジターキャンバス)
Blender のコンポジター書き直しプロジェクトがまだ進行中です ― メモリ使用量改善と、以前の悪い(タイル化やスレッド化されていない)ノードのリプレース作業は終わりつつあります ― これにより、コンポジターの反応がさらによくなるでしょう。
ここでの最大のプロジェクトはコンポジターの“Canvas awareness(キャンバス化)”です。コンポジターに専用の2Dスペースを与えることで、入出力の柔軟なマッピングが可能になるでしょう。
担当:まだ割り当てなし
2015年の実現確率:50%Cycles スピードアップ
現在、Cycles レンダーエンジンには私たちが欲しい機能の大半がそろっています(ベイクレンダリングと‘shadow catcher’マテリアルは依然リストの高い優先順位にありますが)。
実際のプロダクションレンダーシステムの一つとしてこの先生きのこるには、レンダリング時間をコントロール可能にする方法を見つける必要があります。まだ BVH の最適化や、より効率的なサンプリング、コヒーレンス、ノイズリダクションに作業の余地があります。
私たちは奇跡を期待してはいませんが、最終的にはアーティストにまで降りてきて、ショットを高速にレンダリングするための効率的なパイプラインを構築するのに十分なツールを、アーティストたちに提供することを望んでいます。
担当:Sergey Sharybin 氏、Thomas Dinges 氏
2015年の実現確率:100%ゲームエンジンの再来
BGE ユーザやゲームモデラのことも忘れてはいません! ビューポートプロジェクトからの恩恵に期待しててください ― モデルやテクスチャに
現在 Unreal や同様のエンジンで一般的な、高度なシェーディング・ライティングモデルを使用できるようになるでしょう。
もしうまくいけば、アニメーションシステムはスムーズかつ高速になり、物理演算も統合され、私たちは一つのメインターゲット(まともなロジックエディタと、アニメーションシステム内でのロジックと再生がスムーズに動作する方法)のみアップグレードするだけでよくなります(私の18か月前の BGE の未来についての記事をチェックしてみてください)。
担当:まだ割り当てなし
2015年の実現確率:50%モーショントラッキング
(ビデオ)モーショントラッキングに2、3の重要な更新が計画されています。特に親切な自動カメラソルビングの作業があり、ボタン一つですばやくソルブされます!
担当:Keir Mierle 氏と Sergey Sharybin 氏
2015年の実現確率:90%
- 2023年に期待されるプロジェクト (2023年01月12日)
- 2022年のトップ27コミッター (2023年01月03日)
- Ton 氏の BC2022での基調演説(11/18追記) (2022年10月29日)
- Blender Conference 2022始まる (2022年10月27日)
- 数年ぶりに Blender Conference の開催が告知される (2022年04月21日)
- Blender.org と他いくつかのサイトに改ざんの恐れ (2021年03月16日)
- BCON20のお知らせ(とお詫び) (2020年10月16日)
- Blender Foundation 最高責任者の Ton 氏がしばらく療養を宣言 (2020年03月10日)
- 2020-2025のリリースプラン (2020年03月04日)
- Blender.org のサーバーが DDos 攻撃でダウン (2020年01月31日)
投稿された内容の著作権はコメントの投稿者に帰属します。
投稿者 | スレッド |
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mura |
投稿日時: 2015/1/16 21:08 更新日時: 2015/1/16 22:19
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長老
登録日: 2005/5/22
居住地: 東京も長いけど基本寒い地方ですね
投稿数: 377
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Re: 2015年に行われる18の Blender 開発プロジェクト予想
そうすると、以前より総合的に少し高速になる可能性があり、髪づくりや合成動画の面倒や不可能が少し軽減されて、テクスチャや表示関係の新技術が期待される、という感じですね・・・それはバランスがいいですね。
私が使う「1.数GHzデュアルコア」と「2GBメモリ」というPCレベルでも、うーん少し前のトロン・レガシーとかトータル・リコール、マイノリティ・レポートあたりをシンプルに模することはもうできるんじゃないかな。「シンプルに」ですが。開発者のみなさま、ありがとうございます。 チープPCでの大シーンの可能性にさらなる期待。 |
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