技術・開発関連
技術・開発関連 : Blender内部レンダラ改良プロジェクト:BEERと、アンケートのお願い(動画追加)
Dynamic Stylized Shading Primitives - gallery video from dlyr on Vimeo.
Blenderには Blender 内部レンダラがありますが、最近は主に Cycles の方に機能が追加され、内部レンダラにはほとんどなくなりました。
しかし、NPR(Non Photo Realistic: フォトリアリスティック以外)やアニメーションの分野ではまだまだ利用価値があります。
BEER は NPR 分野に特化した、レイヤシステムを使用したシェーダを追加し、現存の Blender 内部レンダラを拡張するものです。
■BEERの概要
まずは LightBWK氏がメールで書かれていた簡単な紹介を引用します。
1. BEER はノードの代わりに(modo のような)レイヤシステムを使用します。
2. これは Photoshop の使用感に似ており、シェーダの設定が非常に簡単になります。
3. 各レイヤには個別にシェーディング用のコントロール係数があります。
4. 同様に(オブジェクト位置の参照のように)シェーディングはライティングやビュー、ノーマル、キーフレーム、その他パラメータでコントロールされます。
5. シェーダ・マテリアルは NPR でアニメーションされます。レイヤを使用するおかげで、ノードシステムに比べ、非常に簡単にアニメーションできます。たとえば、3つのマテリアルのレイヤからなる3色の球で、2つめと3つめのシェーダ・マテリアルがアニメーションできます。
この「非常に簡単にアニメーションできる」については、
1.設定が簡単である(ノードツリーに比べ理解しやすい)
2.アニメーションする設定が見つけやすい(探しやすい)
ということだそうです。
下の動画は、その動作を示すものです。
また、氏により、コンセプトを表現した blend ファイルも提供されています。
・BEERLayeringConcept.blend
これは別々のオブジェクトで各マテリアルを表現しており、光源に対する各層(ハイライト、ディフューズ、リム、影)をそれぞれ自由にアニメーションできることを意味します。各面を選択し、[R]キーを二回押してみてください。
■BEERによるワークフローの恩恵
また、後述の要約では、BEER によるワークフローに対する恩恵として、以下が挙げられています。
1.リアルタイムプレビュー。F12によるシェーダのプレビューは必要なく、時間が節約でき、ライティングテクニカルディレクターとシェーダアーティストは喜びます。
2.エクスポート可能なシェーダプリセット。共有や改良が可能。
3.プリコンポジットスタイル。ポストプロセスからの解放。
4.GPU 統合。皆さん愛用の GPU を活用します!
5.直観的なワークフローによる限界のないスタイル。
6.低い入門のハードル。簡単に学べ、習得できます。
■2Dランプマップ
機能のもう一つの目玉は「2Dランプマップ」です。これは従来のノーマルやエネルギー量に対する輝度や色を設定できる、一次元のランプ(Ramp)を拡張し、二次元のランプを使用することで、距離や速さといったパラメータの影響を与えることができるというものです。例えば空気遠近法などに利用できそうです。
下記は BEER の提案書です。長いですが動画の添付も多数あり、割と理解しやすいと思います。
Blender Extended Expressive Rendering (BEER) Proposal
下記は BEER の動作についての要約です。
http://blendernpr.org/beer-a-wordy-leet-intro-august-2013/
■氏から皆さんへの質問
このプロジェクトにあたり、Light BWK氏から皆さんに質問があるそうですので、掲載させていただきます。
1. 普段、シェーダやマテリアルはどうやって設定していますか?
2. Blender でシェーダ・マテリアルを作成する場合、個人的に直面する問題は何ですか?
3. Blender の内部レンダラでご存じの制限は何ですか?
4. Blender のシェーダ・マテリアルシステムの改善できる部分はどこですか? もし何か改善の見本となる物をありましたら、添付またはリンクしてください。
5. Ton Roosendaal 氏は BI/BEER を最良の状態に保つため、もっと東洋の国(東アジア、東南アジア)の開発者を増やすことを提案しています。そのような能力のある、または興味のありそうな人をご存じですか
もし協力してもいいという方は、この記事のコメントにご投稿いただけるとうれしいです。締切は11月25日(日)。いただいたコメントは、要約・翻訳されて Light BWK氏に届けられる予定です。
また、もし開発に興味のある方は、Facebook の PMか、Google+ で氏に直接コンタクトをとってみてください。
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投稿者 | スレッド |
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完全無欠猫 |
投稿日時: 2013/11/1 12:17 更新日時: 2013/11/1 12:17
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長老
登録日: 2010/7/15
居住地: 兵庫
投稿数: 750
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Re: Blender内部レンダラ改良プロジェクト:BEERと、アンケー...
個人的にはこういう方向性は大歓迎です。
Cyclesはそれなりのリソースがなければ足枷にしかならない。 私のように古いPCでやってる者にとってはとっても有難い。 元々手軽にレンダリング結果が得られるものが欲しかったのでCyclesは私には無用でした。 |
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投稿者 | スレッド |
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anonekko |
投稿日時: 2013/11/15 10:04 更新日時: 2013/11/15 10:04
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新米
登録日: 2013/11/14
居住地:
投稿数: 1
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Re: Blender内部レンダラ改良プロジェクト:BEERと、アンケー...
簡単ながら、要望をこめて回答させていただきます。
1. NPRの場合は、普通のマテリアル設定でひとまず設定して、それで難しいもののみノードを使用しますね。 2. 【「このライトはこのオブジェクトのスペキュラにだけ影響させる」「こっちのライトはこのオブジェクトの影付けだけに使用する」「こっちは全てのオブジェクトのディフューズ用」みたいな設定がしづらい】 自分がNPRをやろうとして多用した機能なのですが、この手の設定があちこちに分散していて、オブジェクトのグループ化なども絡んでしまい煩雑になって、管理しにくいと感じる点でした。 3. プリコンポジットで求める結果を得られるようにしたいという方針みたいなので、求められている質問にあてはまらないのかもしれませんが 【レンダーレイヤー毎に違うマテリアルを設定しづらい】 一応「レンダーレイヤー内の全てのオブジェクトを、一括であるマテリアルに変更する」機能はありますが、全て同じマテリアルになってしまうので、非常に使いづらいんですよね。 ちょっと凝ったマスクを作ってそれを元に加工する、というのをやろうと思ったら、オブジェクト自体を複製して別のマテリアルを持たせる、といった形で対処せざるを得ないのが現状です。 結果オブジェクト数が二倍三倍と増えていってしまって、管理に困ったという。 4. 5. これはちょっと思いつかなかったです。 簡単なものになりますがよろしくお願いします。 |
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投稿者 | スレッド |
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alala |
投稿日時: 2013/11/25 13:28 更新日時: 2013/11/25 13:28
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新米
登録日: 2011/5/1
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投稿数: 5
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Re: Blender内部レンダラ改良プロジェクト:BEERと、アンケー...
勉強不足のため的外れな意見があるかもしれませんが、応援の気持ちで
アンケートにお答えしたいと思います。 1.内部レンダラを使用する場合は概ねプロパティウィンドウのマテリアルとテクスチャの エディタで設定しています。 複雑なものでない限りノードを使用するより手軽で便利だと感じています。 2.問題というほどではないかもしれませんが、一手間多いためもどかしく感じる点をいくつか。 ・マテリアルとテクスチャの設定が別々になっていること。 試行錯誤をする時、行き来がけっこう面倒です。 ・プロパティウィンドウとノードエディタとの設定に相互関係がないこと。 状況に応じて両方混ぜて使えると便利だと思うのですが。 ・UVエディタでテクスチャを設定しないと3DViewに反映されないこと。 あと、シェーダには直接関係ないかもしれませんが、UVエディタが二つのモードに 分かれているのにも不便を感じます。 3.制限というより問題みたいな感じですが。 内部レンダラのレンダリングにおいてAreaLampでRayShadowを使用した場合、Shadingが Smoothに設定されていても陰影の中間にポリゴンの形が現れてしまうことに困っています。 4.シーン内で使われているマテリアルをプレビュー付きで一覧できる機能があれば便利かと思います。 5.残念ながら思い当たりません。 以上よろしくお願いします。 |
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