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Blender.org : Ton 氏の SIGGRAPH 2013記
投稿者 : yamyam 投稿日時: 2013年08月17日 (3201 ヒット)

元記事:blender.org - Siggraph 2013

Blender Foundation の Ton氏による Siggraph記事の翻訳です。体調の不調(全身にじんましんが出た(笑))のため遅れてすみません。



Siggraph 2013


ずっと続いた私の Siggraph 参加も15回目となりました。私は1999年からの忠実な参加者の一人で、今もこの体験や、今までの関係者たちとのネットワークのリフレッシュ、そして多数の方々との出会いを大いに楽しんでいます。

Blender がオープンソースになって以来、Blender Foundation は2006年からトレードショーに6回参加してきました。このようなショーは高くつきますが、いつも収穫はあります。たとえユーザーや開発者、業界の関係者に会うためのたまり場しか持てない時でさえも。

しかし今年の SIGGRAPH は Blender にとって注目すべきターニングポイントでした。初めて Blender が業界内で真剣に競争相手として見られていると認識できた年であり、いたるところで承認、招待、歓迎を受けたのでした。Siggraph でずっとブース参加を行っていたことが助けとなったのは確実ですが、特に10年間で着実に成長を遂げた Blender の品質を披露してきたことが今、実ったのです。その未来がもたらす物を見る日が来ることでしょう!




Siggraph オープンソースパネル


過去数年間、映画産業は彼らの成果のオープンソース化の実用性を見出してきました。これは OpenEXR (ILM)から始まりましたが、今では皆がその恩恵を受けたり参加が可能な、プロジェクト資産があります。すでに Blender でも使用している(またはその予定のある)名前をあげてみると、Open Shading Language、OpenColor、OpenImage、PTex、OpenSubdiv、OpenVDB、Alembic があります。

制作セッションの一つとして、Siggraph は映画ビジネスの CG オープンソースへの主な貢献者(Disney、Pixar、Sony Imageworks、Dreamworks、そして Blender!)を招いたパネルディスカッションを開催していました。

このパネルディスカッションはすべて順調に進行し、素晴らしい総意が得られました。大きな驚きや熱い議論はありませんでしたが、特筆すべきことは、これらのスタジオの興味の大半が、スタジオ内で使用するツールまたはグラフィック環境を、彼らの要求する品質に確実に合致させるための協力とレベルの標準化にあることを確認したことです。Pixar は Khronos と、OpenSubdiv の OpenGL への統合作業を真剣に行っています。

また、これらのスタジオが、彼らのプロジェクトのリターンの中で有益な貢献を受け取っていることが確認できたのもクールでした。私は Brecht van Lommel 氏が(すでに Imageworks チームが何日も内部で奮闘していた)OSL のやっかいなバグを修正できたのも、Blender のバグ報告のおかげであることを指摘できてうれしかったです。

夕方になる前、パネリストたちが一緒に夕食を取ることを快諾してくれてよかったです。素晴らしい人たち、いい食事(USA ではいつものこと!)。私のお粗末な iPhone による映像ですが、左から順に:Mike Seymour 氏(VFXGuide)、Andrew Pearce 氏(Dreamworks)、Kathryn Taccone 氏(Siggraph)、私(Ton)、Kevin Gambrel 氏(Disney)、Rob Bredow 氏(Imageworks)、Bill Polson 氏(Pixar)。

(ちなみに、制作セッションでは全体的に動画ストリームや録画は禁止されていました。もちろんこれもです。法律家たちはこの映画ビジネスを牛耳っているのです…)



ファンの集い(Birds of a Feather)


Birds of a Feather セッションは「無料」セッション(まあ、プロジェクター/オーディオ設備のために500米ドルを支払わないといけませんが)です。すべての Siggraph ビジターが参加でき、非商用または公共で利用できるプロジェクト用です。

Blender Foundation は通常、一般的なプレゼンテーションと、アーティストショーケースの BOF を行っています。
最近、BoF が非常に盛況です。ビジターごとに少しの間、彼ら自身を紹介してもらうのが私の開始パターンですが、今ではそれに30分ほどかかります! それでこれは今もありがたいと思っていることなのですが、ある BoF ビジターが、この方法は私たちの BoF の、観客を引き込むための注目すべき独特の特長だといっていたのが非常に嬉しかったです。

残念ながら Open Source パネルのスケジュールが、私たちの BoF スケジュールのど真ん中になっていたため、私は55分後には出ていかないといけませんでした。このため私のプレゼンテーションが少し短くなり、Q & Aの時間も持てませんでした。このことは申し訳なく思っており、次回の教訓としたいと思います!

私のプレゼンテーションのスライドがダウンロード可能です。すでに私たちの次のオープンムービーの情報が少し載っています。



トレードショー







通常の私たちの廉価なブースは、プリントしたバナーを背景に、コンベンションセンターから借りた標準の備品で作られています。去年同様、HP Workstations の素晴らしい支援により、いくつかのデモ用のワークステーションを送ってもらいました。また、BlenderCookie の出資により、ここでプレゼンテーションを行うことができて非常にうれしいです。

私たちのブースの最大の見世物は巨大な84インチ(2メートル超)のワイド4Kスクリーンです。これは JVC によって使用可能となりました。ショー期間中、Tears of Steel、Sintel、Caminandes をミックスして編集する様子が映し出されました ― もちろん4Kで!

このスクリーンでコンピュータの4Kコンテンツを映すのは簡単ではありませんでした ― 一般的な設定のワークステーションでは動作しませんでした。幸運にも私たちの HP の担当者がそこの皆と知り合いで、すばやく Nvidia の適切なグラフィックカードと HDMI 1.4ケーブルを用意してくれました。

また、TV で Mike Pan 氏の素敵な Blender 2013 reel を流しており、The Foundry のリールを流しているスクリーンある通路の反対側で再生していました。向こうのプロクオリティに私たちがどれだけ追いついているかを見せられる素晴らしい場所でした!

私たちのブースは常にほぼ人だかりがありました。私はまだ続報を送るための大量の名刺を持っています。セッティングとデモを手伝ってくださった皆さんに感謝します!:Francesco 氏、Pablo 氏、Bassam 氏、Kent 氏、Jonathan 氏、Wes 氏、JTA 氏、Hjalti 氏、Sean 氏! (Sergey 氏と Brecht 氏はそれぞれすべてのコースと議論に参加できる、フルカンファレンスチケットを受け取っています。)



コネクションと所見


  • Brecht van Lommel 氏の Siggraph 体験記(英文)。記たるべき新テクノロジの素晴らしい評価と要約です。

  • VFXGuide(CG アーティストのための著名なブログ)が Blender Network で彼らの Web サイト用のケーススタディを執筆するパートナーを探す予定です。

  • ブースの設置をしている一方、すでに NVidia や Intel、FusionIO のような企業とコンタクトしていました。彼らはみんな自分たちのシステムで Blender が確実に完全動作することを望んでいます。なお、彼らは次のオープンムービーに関与するリストに入っていたりします。

  • OpenCL は Khronos や AMD、Intel、Apple によって大プッシュされています。NVidia はまだ CUDA を牛耳る方を望んでいるようで、彼らがどれぐらい OpenCL の対応を続けるかどうかはわかりません。

  • Siggraph 2014 Animation Festival の委員長は明らかに Blender の制作セッションが来年行われることを望んでいます。

  • 目玉の一つに、Bill Polson 氏による Pixar OpenSubdiv ディナーへの招待がありました。約20名のオープンソースプロジェクトの重要なユーザーの代表者たち(Microsoft、Apple、Intel、Nvidia、AMD、Autodesk、Sidefx、Foundry、Dreamworks、Imageworksなど)が一晩、高級レストランに会しました。

  • また、このディナーのおかげで、次の日 Apple が私たちのブースを訪れ、Blender 開発の強いコネクションを復旧しました。彼らは新しい MacPro で Cycles 用に OpenCL が動作するのに必要なことなら、バグ修正のために開発者と直接連絡を取り合ったり、ハードウェアを配布するなど、どんなことでもするつもりです。

  • Pixar ディナーでの素晴らしい語録を引用します:「業界の皆が Blender をしっかりと見ているよ。君は今、流行を作り出しているんだ」「私の14才の息子が Blender を使用していてね」(2回!)、「いつか若い Blender ユーザのグループが映画を作り、次の Pixar となるだろう」


OK ― そして Autodesk はどこへ? トレードショーではプレゼンテーションはなく、いつもは Siggraph で企業が借りるシアターやルームのどこにもいませんでした。公式にはこれは費用の節約であり、彼らはむしろ「顧客に費やす」とのこと。私が話した Autodesk の人々は何も明かしてはくれませんでした。
しかしながら、彼らが通常このような傲慢で軽蔑した態度(訳注:この辺自信なし)を取るようなところで、彼らは迷っている、またはさらに無関心になっているのだと思われます。私の最良の推測では、大きな再編成またはシャッフルがそこに計画されているのではないか ― カンファレンスをスキップするにはいい理由だと思います。

Ton Roosendaal
アムステルダム、2013年8月9日

@tonroosendaal



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投稿者 スレッド
T@tsuya
投稿日時: 2013/8/25 12:53  更新日時: 2013/8/25 12:53
長老
登録日: 2004/7/11
居住地:
投稿数: 155
 Re: Ton 氏の SIGGRAPH 2013記
yamyamさん、翻訳ありがとうございます。(体調はその後いかがですか?)
賢明な読者の皆さんの中には、「アレ、毎年この時期になると出没するアノ方は?」なる疑問が湧いた方がいらっしゃったりは、まあ多分しなかったと思うのですが... ええ、行って参りました、SIGGRAPH in アナハイム…。でも今年のSIGGRAPHには最後の2日間だけしかいられずTonの出演した歴史的なパネルはおろか、BOFもまったく出られずじまいでした。 まあ、Tonの記事を見る限り、今までで一番Blenderが注目を浴びたSIGGRAPHだったようで何よりです。フォーラムの方に毎度ですがブースの写真を投稿しておきます。

Ton氏の記事に戻ると、99年はごくごく小さなブースの一つでしかなかったBlenderですが、昨今のVFX業界のオープンソース推進運動およびプロダクションコストの低価格化の流れを受けてか、プロの間でも注目されるようになってきたということでしょうか。そういえば、NVIDIAのブースにてPixarによるOpen Subdivについてのプレゼンの中に、「Blenderにこのテクノロジーの採用が勧められていることを嬉しく思う」と書かれてあるのを私は見逃しませんでした。

投稿者 スレッド
yamyam
投稿日時: 2013/8/27 13:15  更新日時: 2013/8/27 13:15
管理人
登録日: 2004/4/27
居住地: そうや、うちはおおさかやー
投稿数: 4403
 Re: Ton 氏の SIGGRAPH 2013記
コメントありがとうございます。おかげさまでその後原因が分からぬまま何事もなく普通に過ごさせていただいています。

>「アレ、毎年この時期になると出没するアノ方は?」なる疑問が湧いた方がいらっしゃったりは
ノシ
翻訳しながら「そういえばT@tsuyaさん元気かなぁ」と思っておりました。
お忙しいようですがお元気そうで何よりです。

> そういえば、NVIDIAのブースにてPixarによるOpen Subdivについてのプレゼンの中に、「Blenderにこのテクノロジーの採用が勧められていることを嬉しく思う」と書かれてあるのを私は見逃しませんでした。
おおっ! Tonも冥利に尽きますね。

投稿者 スレッド
T@tsuya
投稿日時: 2013/8/29 14:51  更新日時: 2013/8/29 14:51
長老
登録日: 2004/7/11
居住地:
投稿数: 155
 Re: Ton 氏の SIGGRAPH 2013記
引用:
「そういえばT@tsuyaさん元気かなぁ」と思っておりました。

ありがとうございます。ちょっと忙しかったんですが、無理矢理シグラフ行ってどっと疲れました。 もちろん楽しかったですけど。去年に比べて日本人は少なめだったですね。日程的に早かったせいかもしれませんが。
引用:
おおっ! Tonも冥利に尽きますね。

確かフォーラムでどなたかが指摘されてたと思いますが、今年の初め頃だったか、Pixarの方が学生向きの講演で「最近は誰でも入手できるソフトウェアで(Pixarのインハウスツールと比べて)遜色ないことができるようになりましたね」という文脈でBlenderについて述べられていた模様です。

個人的に、日本よりも外国の方がプロでBlenderをよく知っているさらには使っている人が割合的に多いのではないかと(3、4年前までは)考えていました。もちろん名前をご存知の方は多いと思いますが、実際に情報収集するのは大変だったのではないかと想像します。具体的な作例ないしケーススタディが(特に日本語で)ないとどこまでできるのかを判定するには時間がかかりますし、仕事に直結する範囲ではなかなか試す気にもならないでしょう。

しかしiPhoneに代表される軽量な3Dゲーム、特にUnityのようなゲームエンジンとの相互運用性などから、にわかに注目を浴びてきたのも事実です。そして今日、かのAutodeskさんがMaya LTという、Mayaの廉価版を発表しましたね。Autodeskさんですら無視できないこの分野のシェアを握っている3Dソフトウェアとは何なのか、このサイトのリピーターの方はご存知かもしれません。

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