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コミュニティ・話題 : BlenderGuru.com の Andy Goralczyk氏インタビュー
投稿者 : yamyam 投稿日時: 2010年04月06日 (3113 ヒット)

元記事:Interview with Andy Goralczyk - BlenderNation

B@rt氏による記事です。


BlenderGuru.com が Andy Goralczyk氏にインタビューをしています。

Andrew Price氏曰く、

こんにちは、BlenderNation の編集者の皆さん。

私は最近かの Andy Goralczyk氏にインタビューする機会に恵まれ、そのインタビューを Blender Guru に公開しました。

インタビュー中、Andy氏は今日の3Dアーティストたちが制作時にやってしまう最も大きなミスについて、また、氏がなぜ10年以上 Blender に留まり続けているのかを語っています。

Andy氏は非常に考え抜いた回答の中で、レンダリングを向上する方法について実用性のある、素晴らしいアドバイスをいくつかされています。


リンク
BlenderGuru.com: Interview with Andy Goralczyk


全文訳してる時間はないので、要約と一部引用してみます。それでも長文なので暇な時にでもどうぞ。

1.Blenderとどんなふうに係わり始めたのですか?

氏が Blender を使用しはじめたのは、Blender 2.11の時だそうですが、それ以前は高校時代から自主製作映画などをしていたとのこと。インターンである会社で3DS Maxを触り、その後フリーの代替として Blender を使用し始めたのだそうです。その時期はあまりチュートリアルなども充実してはいなかったものの、3Dのつくる神秘的な空気に魅かれていったのだとか。


2.コミュニティからはベストBlenderアーティストの一人とされ、作品も本として出版され、ドイツのTVからインタビューもされ、現在 3d worldに連載もされていますが、どんな風に名声を得たのかお聞かせ下さい。

氏曰く、偶然が重なったおかげだそうで、氏の作品が目立っていたのは恐らく Blender で無理な部分は2Dで描いていて、人々は3Dか否か混乱したからではないか、とのこと。

現在は ED や BBB のおかげで古い作品が注目されることもなくなり、新しい分野への模索もできてうれしいそうで、もっとロボットモンスターを作っていきたいそうです。


3.あなたの作品の多くはSFがテーマになっており、デザインにはエイリアンクリーチャーやロボットが組み入れられていますが、このジャンルにひきつけられる理由は?

普段目にしない物に魅力を感じているためで、PC内に現実の物のコピーを作る人たちを称賛はしているものの、自分はそのタイプではないとのこと。現実の物を再構築するのは練習にはいいことなのかもしれないが、自分にとってあまりメリットはないということだそうです。

また、氏自身にとってモンスターや醜いものを作成するのは簡単であり、真に美しい物を作るレベルまで自分を引き上げる必要があると感じているそうです。

氏の動機は最先端技術と、最終的にはみんなどうなるのかという一般的な議題に対する興味からくるものだそうで、古典SFと映画のファンでもあるとのこと。氏は自然も好きだが、テクノロジーは自然の延長線上にあるものの一つとして見ていると語っています。


4.プロジェクト開始前には、スケッチを紙の上に最初に書きますか? それともぶっつけ本番で行うのが好きですか?

氏はいつもスケッチブックを持ち歩き、たくさんスケッチするそうです。自分の考えや自分自身をビジュアル的な言葉として表現する傾向にあるため、文章による画像や動画のコンセプトの説明は、自分には役に立たないそうです。

また、ほとんどの画像で構図を決めるためサムネイルを描くとのこと。大抵の場合、最終的な3Dモデルはスケッチをそのまま写したものに比べ上手く解釈したものになるそうで、制作時に多くの自由があるのだとか。

CGにおいては簡単に多くのディテールが消え失せてしまうため、3Dに「変換」する前のスケッチは、全体的な流れを正しく理解するための手助けとなるとのこと。しかし時々 Blender で自由に制作することもあり、その時はスケッチに非常に近いワークフローで自由に行うのだとか。


5. あなたの持論では、多くの3Dアーティストたちが犯す最大の過ちは、彼らの作品を素晴らしい物で留めてしまうことだとおっしゃっていますが?(訳注:ちょっと自信なし)

一般的に人々は構図、光、色などの原則に何百年もの歴史があることを忘れがちです。それは3Dにも通じます。
私自身が自覚した最大の過ちは、私が手早く素材を探し集め、それだけで済ませていることです。あまり何かに時間をかけすぎてぐずぐずすることがいいこととは思いませんが、ちょっと振り返ってみて、少しの間休ませてみるのもいいことだと思います。
ただ私の意見では、そこには本当に大きな過ちはなく、状況による物だと私は思っています。




6.あなたの現在のプロジェクト:Omegaについて教えて下さい。これはストップモーションですが、Blender も使うのですか? この短編の背景にある動機は?

これに対し、自分は実際に手を汚す作業が好きで、人形と模型制作に情熱を燃やす人々と作業ができることは素晴らしいことだと答えています。
また、Omega は自分たちがビジュアルの複雑さ、(人工の)生態系全体の命の営みと息吹の奥行きや細部の制作において、どれぐらい到達できるかを見るための挑戦であり、この世界が完全にリアルには見えなくても、究極の目的は、実体があるように見える何か、観客が没頭できる世界を作り出すことだとしています。

制作はすべてをディジタル5K静止画で撮影しており、Blender はそれを集め、クロマキーや合成、カラーグレーディングを行って最終フレームに融合するのに使用するそうで、その上に、バーチャル環境とキャラクタを構築するとのこと。映画のほとんどが手動で切りぬいた写真を深度レイヤに置き、CGに戻すのだそうです。

映画の後ろ半分はシーンの壮大な変化と破壊がメインになり、ほとんどが、少しだけモデルワークを基本にしたCGになるそうです。全体的には CG と伝統的なストップモーションアニメーションのハイブリッドとのこと。


7.多くの人たちが見たくてたまらないと思いますが、リリース日の予定は?

複雑な作業のため、リリース日が延びているそうで、できれば次の冬には完成したいとのこと。最初に世界中のいくつかのイベントを回ることになり、インターネットでどんなフォーマットでリリースされるかは不明だそうです。


8.今で Blender とともに10年が過ぎましたが、商用アプリへの切り替えは考えたことがありますか? Blender にこだわるのはなぜ?

氏はここ数年、Blender を使って個人的作品と商業作品の両方にかかわっており、実際に何度か切り替えを考えたことがあるそうです。そのほとんどは Blender の限界やインターフェイス、単に自分の愚かさに不満を感じた時だそうで、かなり他の3Dアプリに親しみがある一方、Blender は自分の目的には最も効率的な物だとわかったそうです。それが Blender をずっと使っている理由とのこと。

Blender のワークフローを会得しているため、そのスピードによって新しい物を思いつくことができるそうで、さらに今までに出会った、Blender で仕事をしている人達が仕事に非常に熱心で情熱のある姿を見せていることが、Blender を愛する一番の理由だそうです。


9.Blender 2.6も視野に入りましたが、最も期待している機能もしくは改良は?

氏はインターフェイスの再デザインについて、ワークフローが変化に注目しており、また、期待している機能は、B-mesh のようなモデリングシステムの改良だとか。また、Omega に関しては、Compositor の全機能が復活するか心配しているそうです。ただしパッチが必要なものがあるものの、時間の問題だとしています。

10.意欲的な Blender アーティストにアドバイスをお願いします。


答えるのは難しいです。特にすでにいい飽きたことですので。
個人的にはPCのスクリーンの向こうにあるものが重要だと考えています。そこにはディジタルじゃないものが非常にたくさんあり、それらは注目や命をかける価値のあるものです。
間違いなく重要なのは、自分の作品を特別な物として称賛したりしないことです。結果が大事? そうですね。しかし、もっと重要なのは、制作過程の中で何を学び何を得たかです。そして特定の作品があなたの期待を裏切ることになっても、気にせず、それを乗り越えて次に行けばいいのです! 私にとってはそれは大変なことでした。全能なるコンピュータの支配から自分自身を解き放つのは、数年間を費やす大仕事でした。

もっと一般的な言葉でいうと、「自分の芸術」と、みんなが自分を「アーティスト」だと知っていることの重要性について考えすぎていることが失敗だとわかったのです。

インターネットの性質と、フォーラム上の大多数の人々が簡単に大量の時間を費やしてしまうという現実は、そんな「芸術」についての雑談に役立ちます(その一方、私は定期的に美術史家たちや似たような人達と接触していましたが、スーツを着ていた以外はインターネットの外側も大して変わりはないなと思っていました)…誰もあなたが付けた名札なんて気にしません。単に楽しめばいいんですよ。
しかし25歳前後の私がアドバイスするなんて、私はまだ比較的若くて経験も少ないのに。



前述のリンク先には氏が現在制作中のストップモーションアニメーション、OMEGAの未公開画像などもあります。興味のある方はどうぞ。


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