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Blender.org : And that was 2003!
投稿者 : yamyam 投稿日時: 2004年01月02日 (1578 ヒット)

And that was 2003!

broken氏による記事です。


2003年はBlenderの開発にとってエキサイティングな年でした。2002年10月に新しいソースコード一式とともにフレッシュなスタートを切った後、Blenderは最初のオープンソース、Version2.26のリリースから今日を過ぎてなお、驚くべきペースで前進を続けてきました。ここにその過去12ヶ月のハイライトをいくつかご紹介しましょう。

1月

Blenderが1998年、オランダのスタジオNeoGeoからWEB上でフリーウェアとしてリリースされてから5回目の誕生日を迎えました。

実験的なコーディング作業が"邪悪な樹(evil tree)"Tuhopuu Blenderを含む、複数の違うソースコードツリーにわたり行われました。

2月

NaN時代のBlender3d.orgが閉鎖され、心機一転、新しいオープンソース機構を反映したデザインで新たに再構築されました。これと同時に―

最初のオープンソースバージョンである、Blender2.26がリリースされました。本当に小さいながらも、非常に便利な機能と修正を含んでおり、(非常に少ない)新しいボランティアの開発者達が信頼性の高いBlenderのコンパイルとソースコードに親しむことができる重要な足がかりとなりました。

3月

bf-blenderとtuhopuuの両方で開発が続けられ、bf-blenderではソースコード内部の大幅なクリーンアップが、tuhopuuでは新しいシェーディングモデルの実験が行われました。

4月

BlenderがLinux Magazine France、Renderosity Magazine、Linux Format Magazine、3D World Magazineの記事とチュートリアルにより世間の注目を浴び、大きなステップを踏み出しました。

Gino van den Bergen氏は衝突判定ライブラリ、Solidを将来出版する氏の本とともに、オープンソースとしてリリースすることを決定しました。このニュースはSolidがオープンソースBlender game engineを妨げる重大なパズルのピースと考える、多くの飢えたgame engineユーザに希望を与えました。

5月
Blender2.27が国際的言語翻訳とFreetypeライブラリ使用によるフォントの拡張、MacOSXとWindows上のQuicktimeのサポート、Armatureのオートスキニング、多くの編集とインタフェイスの調整とともにリリースされました。

6月

コミュニティのドキュメンテーションプロジェクトの大いなる助けとして、Blender2.0マニュアルがHTMLフォーマットでBlender Open Content License下で寄贈・公開されました。
Functionality BoardプロジェクトがBlenderのアーティストとプログラマの橋渡しとして調査とフィードバックを提供するために始まりました。そのすべての目的に応じはしませんが、特にUIプロジェクトにとって有用なリソースとなっています。

7月

Ton氏がUSAのSIGGRAPHカンファレンスに行き、議論のため、他のBlenderユーザとコンタクトをとり、Tシャツの配布とミーティングを行いました。

Blender 2.28がリリースされ、大規模な再構築プロジェクトとPythonスクリプトAPIの一新、新しいMaterialシェーダ(Oren-Nayer Blinn、Toon)、音声の再生およびSequence Editor内での編集、そしてMeshのVertexキーの操作用スライダといった大量の追加がおこなわれました。

8月

Blender.orgはひどいハードディスクエラーに悩まされ、数日間オフラインになっていました。その間、Webのシステム管理チームはStefan "sateh" Arentz氏の指導の下、失われたデータの回復とサーバの復活の不断の作業を行いました。

9月

Blender2.30に必要な大量の作業をひとまず置き、Blender 2.28cがバージョン2.29の代わりにリリースされました。

Blender 2.28cでの変更点はmetaball編集のスピードアップと新しいシェイプの追加、リアルな反射を可能にするための再帰環境マップ、ラジオシティレンダリングの統合、Pythonの改良です。

大量のNeoGeo時代からの旧コードがオープンソースとしてリリースされ、Blender2.03、1.72、1.46のソースコード、Blenderの前任ソフトである'Traces'、Blender Playstation Playerなどが公開となりました。

10月

二年目のBlenderカンファレンスがアムステルダムで行われ、世界中からの訪問者を歓迎しました。講演と議論だけでなく、Suzanneアワードが1年を通じてBlenderの開発と作品において目だった活躍をされた人に贈られました。

Blender2.30がBlenderカンファレンスでリリースされました。Blender2.30はインタフェイスの一貫性、拡張性、カスタマイズ性、習得の容易さの向上を含めた大々的な再構築を行いました。インタフェイスの改良にともない、数値入力と移動などの軸制限、ナイフツール、面ループセレクト、サブディビジョン(の表示の拡張)、そして長らく待たれていたMesh Edit ModeでのUNDO機能も追加されました。

11月

Blender2.3マニュアルの先行予約キャンペーンがBlender Foundationの2003年の多量の支出をカバーするための大規模な基金の調達イベントとして始まりました。Ton氏は最初の支払い済の250オーダについて個人的なサインを入れることを約束しましたが、これは、すぐに達してしまいました。

Blender 2.31が2.3マニュアルの同梱バージョンとしてリリースされました。このリリースはバグの追跡と修正が一斉に行われ、Blenderがスムーズに動くよう、問題の解決と調整が行われました。

12月

衝突ライブラリSolidのソースコードが、著書「Collision Detection in Interactive 3D Environments」の発刊とともにオープンソースとしてリリースされ、すぐさまbf-blenderとtuhopuuのソースコードツリーにcommitされました。BlenderへのSolidの再統合と久しく失われていたgame engineの復活作業は現在進行中です。

NURBSモデリングアプリケーションNurbanaの作者であるJustin Shumaker氏は寛大にも、NURBS能力を非常に大きく拡張するため、ソースコードのリリースとBlenderへの統合を決定しました。
Ton氏はBlenderに'Traces'からレイトレースを統合することにより、スキャンラインとレイトレースシステムのハイブリッド化に再び目を向けました。作業は現在、反射、屈折、半透明、レイトレースシャドウ、その他まで進行しています。


あとがき

2003年初頭では、プログラマたちはBlenderをコンパイルすることに挑戦するにとどまり、以降にBlenderに驚異的な量の改良が行われたように思われます。活動的な開発者は急速に増加し、アーティスト達は今まで以上にいい作品を作成しています。

今年はPythonAPI、インタフェイス、UNDO、レイトレース・レンダリングといった、多くのBlenderの主な欠点に取り掛かるのが見られました。しかしながらやるべき事はまだ多く、私たちの背後には遅れを取り戻す作業がたくさんあります。多くの新しいアイデアの実装の機会は2004年になるでしょう。

Blenderファンの皆さんの援助、特に根気強いボランティアの皆さん、そしてもちろん、私たちの慈悲深い制作者であるTon氏の、自らの私的な数え切れない時間を無私無欲にも犠牲にした活動に感謝します。私は新しい年はより多くの楽しみと驚きが起こると核心しています。

-Matt(バーチャルシャンパンのコルクを開けながら)


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