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元記事:blender.org - New Render features



レンダラの新機能



Alpha サンプルマスク


Blender 2.42 以前

Blender 2.42 以前


Blender 2.43、サンプルマスク使用

Blender 2.43、Sample mask 使用
Blender では、半透明 Face のレンダリングは別々のレンダー Pass で行われます。最初にすべての Solid(不透明)Face をレンダリングし、その後すべての半透明 Face が別のテンポラリバッファにレンダリングされ、これが Solid のレンダーバッファの上に、Alpha 値を使用して重ね合わせられます。レンダリング時間短縮のため、Solid Face の前にある半透明 Face のみが処理されます。

しかしこの方法では、ある半透明 Face の一部が被さっている場合、「継ぎ目」が発生します。例えば、この時アンチエリアスされた二つのピクセルの両方の Alpha が0.5である場合、「Alpha over」されると、新しい Alpha 値が0.7になってしまいます。(訳注:(1-0.5)*0.5+0.5=0.75)

これらのバッファをもっと効果的に重ね合わせるには、Alpha を格納するだけでなく、どこがピクセル内から生じたサンプルか、という情報も入れる必要があります。
これを現在、ビットマスクで行うようになりました。これで二つのピクセルが半分フィルされている場合、隣接した物と半分ずつになっている物(その後 Alpha 値を加算)か、重なりあわせる物(Alpha値を「Alpha over」)かを確認できます。

この画像は、Solid の Strand を Ztransp の Plane の上にレンダリングしたものです。

注意:極端にぼける "Gauss" のようなサンプルフィルタを使用している場合、サンプルマスクは上手く動作しません。他のほとんどのフィルタ、"Mitch" などは上手く動作します。



Material Node の速度向上


Shadow と AO の計算が Material のシェーディング自身の処理より前に終わるようになりました。つまり、多くの Material ノードを Shadow(もしくは AO)と共に使用しても、もうそんなに遅くはならないことを意味します。

下記ページの最後の二つのセクションもチェックしてみて下さい。
wiki.blender.org/index.php/BlenderDev/RenderPipeline


二点透視図


二点透視図を利用した建築画像過去10年間、素晴らしいクオリティの3D画像を得るため、あらゆる革新的な作業が行われてきたにもかかわらず、建築家は旧来の透視図の方を好むようです。


実際には、カメラが常に水平線とまっすぐになるよう並んでおり、垂直線がすべて平行になって見えています。この時、建築物全体が上手く収まるよう、フレーム(「ビューポート」)がずらされています。

これが Blender のレンダラでも利用できるようになりました(コードと下の動画は Wybren van Keulen氏によるもの)

download.blender.org/demo/test/2.43/lens_shift.mov


"Orco" からのタンジェント生成


シェーディング用オプション、"use Tangent" は、Mesh に UV ベクトルがある場合のみ正しく作成されていました。今は(可能であれば)、"Orco" からタンジェントが生成できるようになりました。このオプションは実際には Orco を(球状マッピングのような)極座標に変換し、UV のように使用しています。その結果、タンジェントは常に Z 軸と並ぶことになります。



Normal マップの Tangent サポート


ないときー/あるときーBlender の Normal マップ(2.36で追加)は、ビューに平行な Normal だけをサポートするコードを使用していたことにより、平面マッピングのみに限定されていました。

現在、Normal マッピングは「タンジェント空間(Tangent Space)」もサポートするようになり、新たにビューに依存しない、適切な Normal をすべての表面上に計算できるようになりました。

この画像は SubSurf された頭部モデルの、Normal マップなし(左)とあり(右)の比較です。モデルと Normal マップは ORB プログラムによるものでこちらからダウンロードできます。engineering.soclab.bth.se/tools/177.aspx

この手の Normal マッピングは外部ツールも必要なため、Normal マッピングの互換性を完全にしました。(以前は Z ベクトルのスケールが違っていました)

注意:このオプションは、Material Buttons の Shaders パネルの新しいボタン、"NMap TS" で使用できます。また、この機能は Blender Scene をレンダリングデータへと変換する際に Tangent 計算を行います。

デモファイル:download.blender.org/demo/test/normalmap_tangent.blend

(Alfredo de Greef 氏提供によるパッチです)


Render Layer の順序(Gamma オプションの削除)


サンプルマスクによる適切な Alpha 処理の実装に伴い、Render Layer オプションの処理順序が変更されました。現在は以下のとおりです。

Solid + Halo + Ztransp + Sky + Edge

Sky はその時の合成結果の Alpha を使用し、最後に追加されるようになりました。

そして、論理的に思え、高品質な結果を与えるのにもかかわらず、古典的な機能を削除しなければなりませんでした。そのオプションは、ガンマコレクションされたアンチエリアスです。
これは古くからの機能で、レンダリングをビデオ(TV)用のみに行う必要がありました(Video は2.2以上のガンマであり、アンチエリアスされた線が修正後は綺麗に見えます)。



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