元記事:Blender 2.37a



Blender 2.37




約5ヶ月の非常に長い開発期間でした…そのおかげで、このリリースには興味深い新機能と改良がつめこまれています! 最も特筆すべきことは SoftBody システムと、新しいインクリメンタル SubSurf コード、そして内部 "Transform" システムの完全な再コーディングにより、非常に管理しやすく、柔軟な物になりました。


変形ツール


新しい Transform オプション:To Sphere、Push・Pull、TrackBall、進化した軸制限尾オプション、コネクションモードでのProportional Editingなど…。


Transform Widget


Transform ツールの再コーディングの結果、とうとう(軸制限付きの)移動、回転、拡大縮小を簡単に行える Widget(マニピュレータ)を追加できました。Widget はグローバル軸、その Object のローカル軸、EditMode では Normal 軸を元に操作できます。


SoftBody


Blender のそれぞれの Object で "SoftBody(軟体物理演算)"効果を適用できるようになりました。一旦適用すると、この SoftBody システムは Vertex の位置を自由に動くParticle へと変換します。柔軟な物体のアニメーションや、くねくねするスキン、更に布シミュレーションに非常に便利です。


Field と Deflection


SoftBody 用に特別に、新しい Field、Wind が追加されました。また、Deflection (衝突判定)が Soft Object と Mesh 間で利用可能です。


インクリメンタル SubSurf


Daniel Dunbar氏の新しい "CCG" SubSurf システムの最大の利点はその恐るべきスピードの向上です。これはほとんどは編集中の段階的な変更の察知のおかげです。また、Creases と UV Texture のサポートも改良されました。


透過のフィルタリング


Transparent Filtering
Blender が Alpha と Filter の両方を組み合せた新しい方法のフィルタリングによる、透過レンダリングをサポートしました。


スレッドレンダリング、真のカラー&Orthoレンダリング


レンダーコアに増えた三つのオプション。デュアルCPUシステムのオーナーは二倍のスピードでレンダリングできます! 内部の色の定義は完全な4x32ビット(以前は4x16ビット)になり、Ortho レンダリングコアはリフレッシュされました。


Timeline


新しい Timeline Window はアニメーション再生を妨げることなく、すべてのアニメーションのタイミングにアクセスする機能です。キーや Material、SoftBody などを動いている最中に編集できます!


Python スクリプト


新たに長いリストとなった Python API の新機能と、新しいモジュールと、「Space ハンドラ」を使用した、Blender のウィンドウシステムとの進化した統合。
Jacques Guignot氏には特別に感謝の意を表し、このリリースを捧げます。


Game Engine


新しい Python の Armature オプション、Z-offset Material、ジョイスティックのための SDL のサポート。


その他新機能!


ログから新機能ごとの完全なページを作成すると、リリースはひと月後に延期されてしまうでしょう。というわけで、2.37の他のすべての新機能が完全にリストアップされているこのページをチェックしてみて下さい。
(画像はblender3d.orgのギャラリーより。Sacha Goedegebure氏作)


バグ修正


過去5ヶ月の間、600を超える報告が処理されました。このリリース時点でのBlenderで明るみにでた問題はまだ30未満です。非常に感動的です!
(画像はblender3d.orgのギャラリーより。Alex Cope氏作)




重要な注意


新しい TimeLine Window には後方互換性がありません…これは古い Blender に、TimeLine Window をアクティブにしたファイルを読み込ませるとクラッシュすることを意味します。このクラッシュは、2.37では今後新しいウィンドウタイプを追加しても起こらないように修正しましたが、古いバージョンの救済にはならないでしょう。

Yafray: 追加されたオプションは、近日リリースされる YafRay用です。現時点では、それを待たなくてはなりません…ドキュメントも後日公開される予定です。


開発について


- OSX の XCode プロジェクトファイルが CVS に追加されています。

- 100もの修正におよぶ大規模なwarning 狩り。

- ImBuf コードのクリーンアップ。

- FTGL を extern/ モジュールに追加。

- アイコン用にテクスチャ描画サポートを追加。まだ未使用です。

- openEXR の準備はコミットされておらず、次のリリースに延期です。

- BLI_winstuff.h の間違ったインクルードをクリーンアップ。注:BLI_winstuff.h は windows.h で定義されている、さまざまな未定義の物を取扱うのためのラッパーです。

- Mesh 描画コードは DerivedMesh システムにより抽象化されました。blenkernel/intern/ をチェックしてみて下さい.

- BLI_string 関数群を使用して下さい! blenlib/BLI_blenlib.h にあります。

- 依存グラフの最初の実装を追加。現在は Scene の Object リストに、正しく順番を評価するために使用されているだけです。

- Makefile は将来の64ビットコンパイルサポートのために変更されいます。SGI Prism でテスト中です。

- Makefile を Windows Cygwin でのコンパイル用に修正。依存チェックが改良されました。

- レンダーコアでの ZBlur オプション追加のテストは終了しています。この方法は非常に限定的であり、あまりにも満足できない結果になりました。現在はコメントアウトされており、Sequencer のビルトインオプションへと移動する予定です。

隠し機能
- Pickle Matrix のテスト用コードが追加されています。

- "rt" (RenderButtons の Animation パネル内)を、SubSurf Mesh の EditMode に入る前に52に設定してみて下さい。

- rt=2 もしくは 3にしてみて下さい…Rotate マニピュレータが変化します。


クレジット


このリリースにコードを貢献してくださった方々です。

Alexander Ewering (バグハンティングと修正)
Alfredo de Greef (Yafray エクスポート)
Andrea Weikert (Bug 修正)
Brecht van Lommel (UV 編集)
Campbell Barton (Mesh の状態の描画、Python の修正)
Chris Burt (Texture、バグ修正)
Chris Want (Makefiles、バグ修正、Irix、Tuhopuu とのシンクロ(マージ))
Daniel Dunbar (CCG Subsurf、Mesh 描画の再コーディング)
DJCapelis (Linux リリース)
Gergely Erdelyi: (Python 修正)
Hans Lambermont (FreeBSD リリース)
Jean-Luc Peurriere (依存グラフ、コードクリーニング、OSX)
Jens Ole Wund (Soft Body、ForceField)
Joseph Gilbert (Python API)
Jiri Hnidek (Meta Objects、TimeLine)
John Aughey (Turn table)
Johnny Matthews (Mesh ツール、Python)
Joilnen Leite (Python API)
Jorge Bernal and Jonathan Merritt (WardIso & Minneart シェーダ)
Ken Hughes (Python API)
Kent Mein (Imbuf、Sun Solaris)
Kester Maddock (Game engine)
Matt Ebb (TimeLine、メニュー)
Martin Poirier (Transform 再コーディング、軸制限)
Nathan Letwory (SCons、バグ修正)
Ricki Myers (Text Editor)
Rob Haarsma (UI Texture Font、QuickTime)
Simon Clitherow (バグ修正、Windows)
Stefan Gartner (Linux PPC)
Stephen Swaney (Python API)
Tom Musgrove (Extrude メニュー)
Ton Roosendaal (レンダラ、SoftBody、TimeLine、バグ修正)
Willian Padovani Germano (Python API)

そしてもちろん、デモ、テスト、ドキュメント、バグハンティング、Webページ作成、バグ報告、テストビルドなどで手助けして下さった方々に感謝…皆さんお疲れ様でした!