コレクションとグループ

投稿日時 2018年05月22日 | カテゴリ: Blender.org

元記事:Collections and Groups ? Blender Developers Blog

brecht 氏による記事の翻訳です。

Blender 2.8ではレイヤーシステムが一新し、オブジェクトがコレクション中に階層化できるようになりました。もう20個に限定されたレイヤーに縛られることはなくなったのです。



アニメーションパイプライン用にこのシステムをもっとパワフルにするため、さらに設計の変更を行っています。コレクションがシーンやファイル間でリンクまたはインスタンス(クローン)化できるデータブロックになるのです。

これまでグループがその用途で使用されてきましたが、ユーザーがシーンとグループの同期を手動で維持する必要があり、間違いの元となっていました。そしてその結果、どのオブジェクトがリンクされているか、または表示されるかが明確でないことがありました。

Blender 2.8では、グループをコレクションで完全にリプレースしました。現存のグループは、シーンにリンクしないコレクションに変換されます。

いくつかのワークフロー例を見てみましょう。



インスタンス化


森を一つ作る時、Assets シーン内に木(Tree)や草むら(Bush)のようなアセットを作成し、それらを別の Forest シーンに何度もインスタンス化すると思います。その時、二つのシーンはこのように編成されると思われます。





もう一つの方法として、単一シーン内で作業することができます。もしオリジナルの木や草むらをそのインスタンスと同居したまま表示したくない場合は、非表示の“Assets”コレクション内に置いておくことができます。



また、シーンからコレクションをリンク解除し、インスタンスのみを残すこともできます。


キャラクターのリンク


リンクについては、あるキャラクターを複数のショットで動かしたいとします。オリジナルのファイルには、いくつかのコレクションが作成されています。「Hero」はそのキャラクターのメッシュとリグ、「Rig Helpers」にはリグに使用するカスタムシェイプが、そして他にもレンダリングテスト用のコレクションとオブジェクトがあります。



ショットファイル内では、「Hero」コレクションをインスタンス化できます。これにより、キャラクターメッシュとリグだけが取得でき、オリジナルファイルでのみ必要なライトやヘルパーオブジェクトはありません。ヘルパーオブジェクトはまだ間接的にはリンク中であり、リグの描画には利用されるものの、独立して非表示になっていることに注意してください。



以降は従来のようにプロキシを作成し、リグのアニメーションを開始できます。今後のブログ記事で、現在開発中の新しいオーバーライドシステムでどう動くようになるかを見てもらう予定です。


ビューレイヤーと表示設定(View Layers and Visibility)


グループ関連の変更に伴い、コレクションの表示設定の変更も行いました。従来はビューレイヤー毎の表示の切り替えのみでしたが、現在、ビューポートとレンダーの明示的な表示設定が再びできるようになりました。コレクション自体にプロパティがあり、他のシーンやファイルからもリンクされます。

さらに特定のコレクションをビューレイヤーから除外することもできます。



これはコンポジティングでのコントロール用の、レンダリング画像の複数のレイヤーへの分解や、別のライト設定による同一シーンのレンダリングといった、従来のレンダーレイヤーと同じ用途にも利用可能です。また、ワークフロー上の理由でビューレイヤーを作成し、シーンのサブセットの作業をすることもできます。


現在の状況


コレクションとグループ統合の最初の実装が、Blender 2.8ブランチにテスト用途であります。まだユーザーインターフェイスとコードの作業中で、タスク T55099 にやるべき残りの作業がリストアップされています。

取り組みとして予定している別の重要な物に、ローカルビューの復活と、3Dビューでのコレクションの表示切替の簡易化があります。





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