さよなら2017年一年を振り返る時期になりました。Blender 2.8がだんだんと形作られ、Blender オープンムービーの制作で日常的に使うことができるようになりました。今年の初め、2.8への最新の変更が行われたデイリービルドの共有を開始しました。これは Blender の Eevee のような、リアルタイムエンジンの可能性を歓迎するアーリーアダプター達から大きな反響がありました。ソーシャルメディアでのひっきりなしの画像や動画の共有だけでなく、Siggraph で行ったデモでもこの反響を目にしました。また、人びとが2.8プロジェクトについて詳しく知ることのできる、2.8ハブを Blender.org に追加しました。まだご覧になっていない方はチェックしてみてください(英文)。動画やドキュメントなど、2.8に関するすべてがあり、Siggraph のデモファイルも全部あります。ベータ版は来年のQ2(訳注:4月から6月)と予想され、初心者も上級者ユーザーも一様に、新しい Blender 2.8のワークフローを自身のパイプラインに導入してくれることを期待しています。それまでの間、Blender 101も3Dプリンティング用途や Blender の学習用途の概念実証も平行して行う予定です。過去の話はもういいでしょう。現在の状況を見てみましょう。今、私たちには何があるのかを。
Eevee2.8の目玉となる機能の一つが Eevee です。これは Blender ビューポートと堅く結びついたリアルタイムエンジンです。Eevee はモダンな3Dゲームで一般的な、素晴らしいライティングとレンダリング機能のすべてに対応しています。以下の機能がすでにあります。透過付きサブサーフェススキャッタリング(SSS)スクリーンスペースエフェクトボリューメトリックフィルタ付きシャドウ反射と屈折ライトプローブGuitar stage - Davide Tirindelli氏作。Layers(レイヤー)と Collections(コレクション)Blender のシーンを整理するための、新たなビューレイヤーと、無限のコレクションを持つコレクションシステムがあります。階層とコレクション毎の表示設定に対応しています。コレクションに移動するオペレーターのモックアップBlender 101(Blender を各用途に特化した設定を可能にする)101 プロジェクトが、テンプレート対応、ツール、カスタムマニピュレーターとともにデビューしました。下の実証証明の動画では、Blender の以下の機能が見られます。直感的なナビゲーションウィジェットクリックベースのモデリングツールルーラーシステムスケーリングケージGrease Pencil(グリースペンシル)2Dアニメーションパイプラインが大幅に進化しました。以前の投稿(英文)で、新機能をすべて読むことができます。これは Blender 2.8上のブランチの一つで、最初の(2.8)ベータの前にマージされます。さらに、グリースペンシルを2Dアニメーションが制作可能な品質にすることを第一目的としたオープンプロジェクト(Hero)もあります。Hero の進行状況は Blender Cloud で確認できます。Overrides(オーバーライド)と Depsgraph(依存グラフ)Static override(スタティックオーバーライド)が Blender 2.8の一部となりました。これは Proxy(プロキシ)機能の制限を置き換え、どのデータブロックともリンクでき、唯一のローカルプロパティを可能する最初のステップです。これは皆さんのパイプラインにゆっくり浸透するであろう重要な機能の一つです。また、水面下で新しい依存グラフも実装されています。まだエンドユーザーには目に見える形での恩恵はありませんが、ビューレイヤー毎の依存グラフとコピーオンライトが動作するようになりました。すでにコピーオンライトにより、それぞれフレームまたはディテールレベルが違う、複数の状態を持つ同一シーンを持つことが可能になっています。ビューレイヤー毎の依存グラフは再生のパフォーマンスを最大にし、ビューレイヤー毎に別々のダイナミックオーバーライドを可能にするでしょう。既知の問題エキサイティングな機能がすべて構築され、動作中にもかかわらず、多数の領域がバギー、または意図した最終形態になっていません。Eevee が皆さんのお気に入りの GPU セットアップで動作しないことによる、無数のドライバー関連の問題もありますが、これはプロジェクトが終わり近くになるまで、優先させるわけにはいかないのです。他にもパフォーマンスも大問題です。皆さんのグラフィックシステムがシェーダーのキャッシュに対応していない場合、重い Eevee のファイルを開くたびに、苦労しないといけないかもしれません。モディファイアーにはまだ対応していません。まだ新しい依存グラフでま数の変更が進行中であり、モディファイアーも利用できないツールのうちの一つなのです。インターフェイスにどうでしょう?マルチウィンドウ未対応コレクションに未実装の新しいデザインがありますワークスペースに本来意図されていたモードがありませんシーンとワークスペースエンジンの設定を一つ一つ適合させる必要がありますトップバーとワークスペース固有のキーマップとアドオンは延期になりました。(新しい)マニピュレーターとそのツールも延期になりましたが、アドオン用の API となる予定ですさらに、[F12]キーによるレンダリングは Eevee と Clay では動作しませんWorkbench エンジンとオーバーレイモードはまだ最終デザインが必要ですバグの長いバックログその次は?北半球に住む皆さんには冬が到来し、続いて Spring が来ます。この新しいオープンムービープロジェクトが最初のベータ公開の前後に、2.8ブランチを使用して開始される予定です。Blender 2.8では主にワークフローに集中しています。そのため、現実から孤立し不変の設計と実装で作業をする代わりとなる、Blender のオープンな方法に挑戦し、実証します。Spring チームはプロジェクト中一日も欠かさず、一部の実装だけでなく、新機能の使用にも身を投じます。これはワークフローガイドを作成するためにドキュメント化される予定です。Blender ユーザーが Blender 2.8に移行する手助けとなります。しかし Spring がもたらし磨き上げる物がある一方で、まだまだこれからだと感じる機能もあります。モディファイアーダイナミックオーバーライドスタティックオーバーライドのプロキシパイプラインアセットエンジン101の3Dプリンティング用テンプレート依存グラフ毎の別々の現在フレームようこそ2018年!ここで挙げたプロジェクト以外にも、Blender 2.8に行われることはたくさんあります。さらに、2.8プロジェクトよりもっと多くの Blender の開発もあります。来年はさらに興味深いプロジェクトが目白押しです。いずれも、Blender のスポンサーたちによる惜しみない支援がなければ実現できなかっただろうと思われます。インダストリーパートナー、Development Fund への参加者、寄付者、Blender Cloud サポーターの皆さん、ありがとうございます。私たちは来年以降のベータを皆さんにお勧めしたいと思い編んす。公式の案内を楽しみにしていてください。また、アーリーアダプターワゴンへ参加し、私たちの目の届く場所に皆さんの作品と感想の共有をお願いします。