Blender 2.8 ワークフローリリース計画

投稿日時 2015年08月17日 | カテゴリ: 技術・開発関連

通常、月曜日に開発者ミーティングの翻訳をお届けしていますが、今回は休日で人が来なくて決議もなかったのでお休みということなので、代わりに少し前に code.blender.org で公開された、Blender 2.8ワークフローリリースの記事を掲載します。

元記事:Blender 2.8 - the Workflow release | Blender Code

ton 氏による記事の翻訳です。

これは来年、blender.org で集中的に取り組む作業の提案です。

私がこれを書いたのは、私たちが大きな開発ターゲットを見失ったままだったからです ― 私たちには大きなプロジェクトに費やす暇はありません。代わりにリリース、バグ修正、レビュー、メンテナンス、サポートに時間を費やしすぎています。Bug と Patch Tracker の職務は、私たち開発者を各々のターゲットから一番遠ざけています。

その結果、私たちは設計ドキュメント、プランニングやログ、モジュールチームとの徹底的な議論をするための暇もなく、私たちをうまく調整するために参加しようとする、何をすべきかを知っているアーティストたちのために割く時間もありません。私は自分たちが流され過ぎていて、事態が明確でなくなっていることにみんな気付いていると思っています。私たちはどこに向かっているのか? 誰が何をするのか、私たちはどうやって物事を決めるのか?

そう ― 今が活動の時であり、焦点を再び合わせ、エネルギーを獲得するため兵士を集め、blender.org で活動するすべての人々の関与を最大限にし、Blender がこの先何年間も生き残れるようにするのです。



―― Blender 2.8 ― ワークフローリリース ――


ちょうど2.5の時のように、一年間リリースしないことによって、もっと大きなリリースに大きく跳躍するための提案となるでしょう。この時、2016年のどこかの時点での2.80まで、2.76リリースは最後の「リアル」バージョンとなります。

当然、深刻な修正や比較的小さな(安定した)機能で、2.77、2.78、2.79アップデートリリースを行う可能性はあります。

2.8で完成させる可能性のあるトピック:


  • UI ワーク:Python 設定可能化プロジェクトの完成。ワークフローベースの設定を可能にします。
    コンセプトの実証:高校生用の、裸の“Blender 101″

  • Viewport project。BI と GE レンダーを置き換え可能な、PBR 品質のエンジン・エディタなど。

  • 物理シミュレーションの Blender への統合の設計の改善。

  • ゲームエンジンチームを招き、ゲームロジック編集と、ビューポートと新しい物理シミュの使用の再考。

  • 半分完了している Gooseberry ターゲットは追加せず、時間をかけてコーディングすることが必要:
    Particle ノード、hair ノード、simulation ノード、modifier ノード…

  • アセット管理とブラウジング、リンク、参照、外部ファイル全般。

  • 非 Blender パイプラインへの統合。



実践上で考慮すべき事項:


  • 特別な2.8ブランチへの開発の移行。

  • モジュールチームへの徹底的なクリーンアップと古いコードの削除を行う権限の付与。

  • 2.8シリーズは2.7xとのコンパチビリティを100%にしなくてもいいようにする(物理シミュ、パーティクル、ゲーム)

  • 私たち自身をもっとうまく組織化するのに時間を費やす。合意の得られた設計は、やる気につながるでしょう。



合意を得るべきいくつかの原則:


  • 2.5スペックドキュメントの、更新が必要な部分の再確認。

  • 現存の Blender データ構造とコアデザインを可能な限り維持する。

  • Blender を2020年まで生存できるように。しかしそれには…
    …3.0プロジェクトに必要な、再設計上の大きな問題のリストの収集を開始する。

  • Blender のコーディングに楽しさを呼び戻す!:)



code.blender.org の2014-2015年のロードマップは、私の見解ではまだ通用します。これを現実にするには、単に今から9-12ヶ月間、休憩を取ればいいだけです。


Blender 2.8 Workflow Sprint


数か月間、プランの議論と検証を行い、数年間、2.8のターゲットと他の作業の足並みが100%確実揃うようにします。また、いいフィードバックセッションを開いて話すべきでしょう。よって私は10月の Blender Conference を締切として使用し、その前の週にワークショップを開くことを提案します。

  • Blender Conference の前の週、ワークショップとデザインセッションは4日間

  • 渡航費とホテル代は BF が負担(Dev Fund、または新しい資金を調達?)

  • すべて(アクティブ、参加中)のモジュールチームの誰かを渡航させるようにすべきです。また、キーユーザー・貢献者も。ただしコンパクトにしておくため、より効率的にいきましょう。

  • 提案:これは招待のみにします。まずは、過去数年間で最もアクティブな、5人の貢献者を招待します。彼らを集めた後、さらに12(?)人まで招待します。

  • Sprint のセッションは平行して行います ― UI、ビューポート、物理演算など。公開してできるだけいい物にしていきましょう。

  • Sprint の結果は Blender Conference 中のセッションで公開・レビューされます。


7年前の2008年、私たちは同様に一年強休みを取り、2.5プロジェクトを開始しました。すべてを完成することはできませんでしたが、多数の新しいことが可能になったり起こったりと、非常にエキサイティングな期間でした…これは私たちに非常に強固な土台を与え、多数の新しい開発者や素晴らしい機能を引き寄せています。

すべてをできるわけではないという現実を、今、私たちは直視しすべきだと感じています。しかしその一方で、素晴らしい未来を夢見ることを止めてはいけないとも思います。厳しいリリースサイクルを休み、すべてを再考しましょう。ただしあまり長くない程度に。

私たちが合意することを大切に、3Dアート・ゲーム・映画やアニメーションの作成のために、あなたが考えた最高のことを可能にする、設定可能なワークフローの自由を満喫しましょう!
(訳注:原文は Let’s cherish what we agree on and enjoy the freedom of a configurable workflow that will enable you to do what you think is best… for making 3d art, games, film and animation! うまい訳が出てこなくてすみません)

-Ton-





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