コミュニティアンケートの結果公開

投稿日時 2004年11月18日 | カテゴリ: サイト・活動紹介

元記事:Community questionnaire results

ton氏による記事です。
Martine Aalbers氏はアムステルダム大学(Vrije Universiteit)の"E-business and ICT Industry"学部を卒業され、そこでオンラインのオープンソースコミュニティにおいて、個人が興味、参加の動機をどうやって、そしてなぜ抱くかについての研究をされていました。

2004年の3月、Martine氏はBlender.orgにアンケートを投稿したところ、約750人の参加で埋まりました。Blender Conference中、そのアンケートの結果と分析がプレゼンテーションされました。

今、Martine氏が私たちのために、英語でその論文の要約を興味深い結論とともに公開されました。
結果と要約(英語) pdf, 90KB

こちらにMartine氏のオランダ語で書かれた完全な論文を含む、すべてのConference議事録があります。

この論文はグラフでわかりやすく表示されており、英語が苦手な人も割と読みやすいと思います。
以下はななめ読みによる解説。
氏はこの調査を三つのパートに分類しています。
一つめはBlenderのケーススタディ。とりあえず最初の男女比に呆れてください。orz

二つめはオープンソースにおける動機の調査。当方には、Enjoyment(楽しむため)やAltruism(利他主義)が上位に来るのは素晴らしいと思う反面、本心かと少し疑心暗鬼気味に。アンケートというのは実際よりも理想に傾きがちなものだと思います。また、Reciprocity(相互利益)と評判(Reputation)の間が離れているのも少し意外な感じがします。また、Software improvementが下の方(といっても評判のすぐ下)なのも意外な感じがしますが、結局これは手段であって、その先にあるものを目的にしていると考えた方がいいのでしょう。

それはさておき、氏は回答の7つの動機の結果を示し、順番はセオリー通りだったが、Altruismが予想より上だったと述べています。氏はこれらの動機をintrinsic(内部的なもの)とextrinsic(外部的なもの)に分類、内部的動機(enjoyment、altruism、care for community、reciprocity、software improvements)は直接欲求をみたし、外部的動機(reputation、monetary reward)は間接的に欲求を満たす物としています。さらに氏はこれらを3つに分類し、enjoymentが個人の物ではなく、グループ前提であることと、その理由について述べています。

最後に動機と役割に関する調査を元にした氏のアドバイスは、ton氏は厳密なビジョンや戦略を持たず、また、長期的な展望より短期的な展望を見たほうがよいと提案しています。つまり臨機応変に対応しろということですね。
さらに、金銭による謝礼をすることにより、内部的な動機が減退、さらには動機自体が減退するということになると述べています。



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