Google Summer Of Code 2013 に認定を受けたプロジェクトが発表

投稿日時 2013年06月01日 | カテゴリ: Blender.org



Blender Code に、今年の Google Summer Of Code の15のスロットを勝ち取ったプロジェクトと生徒たちが公開されました。

以下は前述の記事からの引用です。ただしこれらがすべて成功するとは限りませんし、今後のリリースに採用されるとは限らないことに注意してください(以下敬称略)。

lex Kuznetsov - VSE Improvements(VSEの改良)
Mentor: Peter Schlaile

ビデオシーケンスエディター(Video Sequence Editor: VSE)を再設計し、Blender の他の部分とより密接に統合するためアップグレードします。その一方で、もっと整理された API にします。基礎構造を大幅に変更し、綺麗で最適化されたコードにします。

Aexander Pinzon - Sketch Mesh Editing(スケッチメッシュ編集)
Mentor: Howard Trickey

このプロジェクトは、ユーザー設定のスケッチラインとサーフェス上の形状のディテール維持を元にしたメッシュ編集の実装を提案するものです。
論文を元にしています:http://www.youtube.com/watch?v=EMx6yNe23ug&feature=youtu.be (上記動画)

Antonis Riakiotakis - Painting tool improvements(ペイントツール改良)
Mentor: Lukas Toenne

この案は Blender のペイントシステムを使い勝手と機能性、システム設計を改善することを目標としています。対称やアンカー化された部分の一体化や、エリアストロークモード、カーブによるストローク、先鋭化ツール、頂点・ウェイトペイントへのコードの再利用、バケツフィル、テクスチャ選択の改善など。

Daniel Stokes - BGE LOD and Bug Fixing/Polishing(BGE の LOD とバグ修正/ポリッシング)
Mentor: Joerg Mueller

このプロジェクトは過去のいくつかの Blender GSoC プロジェクト同様、ほとんどが BGE(Blenderゲームエンジン)のバグ修正とポリッシングすることを意図しています。また、ゲームエンジンアーティストたちがもっと効率的にシステムリソースを使用できるようにする、レベルオブディテール(LOD)システムも含まれています。

Gavin Howard - Cycles Deformation Motion Blur(Cycles用デフォームモーションブラー)
Mentor: Stuart Broadfoot

私の提案は、Cycles レンダーエンジンに、デフォームするメッシュの移動しない部分とは別の部分を動かし、ブラーにする機能を追加することです。

Ines Almeida - Improved OpenGL Debugging and Profiling(OpenGL デバッグとプロファイルの改良)
Mentor: Mitchel Stokes

このプロジェクトは BGE に一般的なプロファイリングオプションを導入し、現存の物の拡張と改善を行うことを狙いとしています。すなわち、ユーザーのロジック、違うオブジェクトのレンダリングによるリソースの消費や、使用中のグラフィックカードメモリ量や能力など。このプロジェクトのもう一つの目的は、新しい OpenGL デバッグシステムを使用した Blender の一般的なデバッグの改善です。

Jason Wilkins - Viewport FX II(ビューのエフェクトII)
Mentor: Brecht van Lommel

これは Blender のスクリーンへの描画方法のアップデートを続ける提案です。Blender はもうハードウェア供給者による完全なサポートのない、古いバージョンの OpenGL グラフィックスライブラリに頼っています。そのため、新世代のグラフィックカードがリリースされても、Blender は能力とパフォーマンスの増加による恩恵を完全には受けられません。

Joseph Mansfield - Expand and improve motion tracking(モーショントラッキングの拡張と改良)
Mentor: Keir Mierle

私はマルチカメラソルビングと、可変焦点距離によるフッテージの再構築に焦点を当てることを計画しています。さらに、モーショントラッキングワークフローとインターフェイスへの様々な小さな改良も行う予定です。

Joshua Leung - Dependency Graph and Evaluation(依存グラフと評価)
Mentor: Ton Roosendaal

このプロジェクトは、新しい廃れることのない依存グラフシステムの作成に伴う、様々な設計の問題の調査と解決を狙いとしており、最終的には関連するコアコンポーネントの最初の実装を行う予定です。

Rafael Campos - Texturing for Volume Rendering in Cycles(Cycles でのテクスチャリングとボリュームレンダリング)
Mentor: Brecht van Lommel

ボリュームレンダリングはテクスチャリングとシェーディングに分けられます ― このプロジェクトでは、必要するテクスチャリング部分の実装を狙いとしています。3Dテクスチャボクセルデータの作成と、ボリュームデータをグリッド表現するのに使用する OpenVDB ライブラリの統合。すべて新しいレンダリングエンジン、Cycles用です。

Sergej Reich - Rigid Body Simulation Improvements(剛体シミュレーションの改良)
Mentor: Miika Hamalainen

Blender 2.66以降、アニメーションシステムに剛体シミュレーションが統合されました。簡単なケースではうまく動作しますが、いくつかの制限があるため、もっと複雑な設定では困難、さらに不可能な場合さえあります。このプロジェクトではこのシステムの改善を狙いとしています。

Sergey Sharybin - Threaded Object update for dependency graph(依存グラフ用オブジェクト更新のスレッド化)
Mentor: Campbell Barton

このプロジェクトの主目的はオブジェクトアニメーションの更新をマルチスレッドを使用して行うことです。このプロジェクトにより、依存処理と、モディファイアースタックコードの両方の変更が見込まれています。

Thomas Dinges - Cycles: Add new shader nodes(Cycles: 新しいシェーダーノードの追加)
Mentor: Stuart Broadfoot

私はユーザーに選択肢と可能性を与える、いくつかの新しいノードをシェーダーノードに追加したいと思います。また、シェーダーとレンダリングをもっとコントロールできるシェーディング機能もいくつか。大半のアイテムはすでに承認済みで、Cycles ToDO リストにリストアップされています。

Vincent Akkermans - Towards a full User action replay system(フルユーザーアクション再生システムに関して)
Mentor: Ton Roosendaal

このプロジェクトは、将来的に完全なアクション再生を可能にすることを目的とした、現存のコードへいくつかの拡張をもたらすことを狙いとしています。もっと具体的に言うと、RNA記述の拡張、コンテクストのカプセル化によるオペレーターの再実行の修正、表示用のユーザーアクションログシステムの実装といった、マクロシステムの完成を狙いとしています。

Walid Shouman - Mesh Custom-Data Transfer(メッシュカスタムデータ転送)
Mentor: Campbell Barton

別々のメッシュオブジェクト間でのカスタムデータ(UVやシームなど)の移動を行う一般的なシステム。メッシュデータを転送する様々な方法に対応する予定です。スペシャル ― 両メッシュでの近い点の検索。レイキャスティング ― レイトレースで同様の形状を認識します。トポロジー ― 同じ、または似たトポロジーの2つのメッシュ。

Wikiへのリンクを含む、全プロジェクトの完全なリストは GSoC プロジェクト開始時に公開される予定です。





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