Shapeways がオンラインレンダリングを Blender に切り替える

投稿日時 2010年03月12日 | カテゴリ: 応用

元記事:Shapeways switches to Blender for on-line rendering - BlenderNation
B@rt氏による記事です。

3D プリンティングコミュニティの Shapeways では、登録者が Web サイトで3Dモデルのアップロード、プレビュー、そしてそれを様々な素材で3Dプリントできます。最近まで、このプレビューは OpenGL でレンダリングされており、見た目が若干損なわれていました。
私はもっと高品質なプレビューを生成できるよう、彼らの Web サーバへの Blender の実装に係わっていました。ここにこのプロジェクトの舞台裏をご紹介します。

まず最初に ― これは最高のプロジェクトでした。私は素晴らしい Blender デザイナーたちや開発者たちと一緒に働ける機会がありました。Shapeways チームはこのコンセプトを気に入っていましたが、美しい最終製品へ到達するための素晴らしいコンビネーションを満足させるのは大変でした。

みんなありがとう!




私たちは何がしたかったのか?

なによりもまず、私たちはデザインが実際に3Dプリントされた時のように表示したいと思いました。私たちは一つの素材(“White Strong and Flexible”)を選び、まずこれをできる限りフォトリアルにレンダリングしようと思いました。しかし、White Strong and Flexible はほとんど純白であるため、これが難問であることが判明しました。

プロダクトマネージャーの Peter Paul Cornelissen氏による、シーンデザインを、白、背景の反射、少し露出過多気味、オブジェクトの下にはソフトシャドウにするといった指令により、あまり簡単にはいきませんでした。白の上に白―なんてことでしょう。

Blender デザイナー、Dolf Veenvliet (Macouno)氏は私たちのためにシーンと Material のデザインを始め、何度かの繰り返しの後、Shapeways のオフィスで午後に一緒に作業しました。その後、何回か変更があり、私たちは最初のバージョンにこぎつけました。Shapeways コミュニティと相談した結果、彼らが自動的なスムージングをあまり好きでないことがわかりました。もし、あるオブジェクトが角ばっているように作成されていた場合、そのようにレンダリングされるべきということです。確かにそうです。現在、私たちは以下のようにレンダリングしています。



もちろん、やがて毎日数千の画像をレンダリングしないといけないため、私たちはそのシーンのレンダリング時間を許容範囲に収めなければなりません。

二つ目の問題! シーンは現在別々のレイヤにレンダリングされ、Composite ノードを使用し、それらをまとめます。コマンドラインツールでは、このような技はあまり行うことができません。

別の「使用前使用後」画像です。



(クリックで拡大)

非常によくなったでしょう?

レンダースクリプト

この「Blender サーバ」は三つのコンポーネントの組み合わせです。
[wiki]
-シーン、ライティング、Material を含む .blend ファイル。私たちはまだこのプロジェクトに古き良き Blender 2.49 を使用しています。安定しており、2.50ではまだ使用できない、私たちに必要な多くの機能があるからです。

-STL もしくは VRML ファイル、そのモデルがビューポートに収まる大きさを読み込む Pythonスクリプト。この Python スクリプトは別々のシーンを切り替えでき、Material や UV テクスチャマップの切り替え、必要に応じてモデルの方向の変更も可能です。

-[[XJ3D:http://www.xj3d.org/]]。 X3DファイルからVRMLへのコンバート用。Blender のX3D Importer はまだ十分ではありませんでした。
[/wiki]

各コンポーネントは簡単に保守できます。もっと多くのシーンや素材の追加ももちろん可能です。

オープンソースのパワー

私たちが他のツールでこれができたでしょうか? 私にはそうは思えません。オープンソースツールの使用と、Blender 開発者たちへのアクセスを持つことで、二つの問題を解決しました。
[wiki]
-Blender がすでに多くの OS で実行するにも関わらず、私たちは Shapeways の Web サーバで動かすことはできませんでした。[[Blender 開発者の Nathan Letwory(JesterKing)氏:http://www.letworyinteractive.com/b/]]は、私たちのためにカスタムビルドを作成して下さいました。

-また、Blender とともに配布されている VRML/X3Dインポートフィルタには私たち固有の計画では実装が困難な問題がいくつかあるのが判りました。幸運にも Python で書かれているおかげで、簡単に変更できました。
[/wiki]
結論:オープンソース(と Blender )万歳!

皆さん自信で試してみて下さい!

新しいレンダラをテストドライブするには、Shapeways introduction page for Blender usersをチェックしてみて下さい。ギャラリーに追加する前に、モデルをプリント可能(塊に近くし、あまり薄く・小さくしない)にすることを忘れずに。

将来の計画

もっと多くの素材とシーンを選択できるだけでなく、

私たちにはもう少し秘密兵器があります―その詳細はまた別の機械に。 もちろん、もし実現可能な非常にクールなアイデアがありましたらお聞かせ下さい!

皆さんのプロジェクトにもいかがですか?

私はフリーランスの Blender コンサルタントもしくはプロジェクトマネージャとして活動しています。さらに大きな Blender アーティストや開発者たちとのネットワークもあります。依頼は [url=mailto: bart@blendernation.com]email[/url] もしくは Skype にて。

リンク
Shapeways Gallery: 最近の追加 (注意:私たちはまだすべてのサムネイルを再レンダリングしていません。約30%が完了しています!)
Shapeways の素材紹介(いくつかの素材にはクールな動画付)
Blender ユーザのための Shapeways の簡単な紹介

免責:私はフリーランサーとして Shapeways のために仕事をしたのであり、この記事の公開については一銭もお金をもらっていません。(訳注:me too…というか今までそんないいこと一度足りともありませんでしたが(笑))





Blender.jpにて更に多くのニュース記事をよむことができます
https://blender.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
https://blender.jp/modules/news/index.php?page=article&storyid=2823