Google Summer Of Codes: 高速レイトレーシング

投稿日時 2009年08月21日 | カテゴリ: 技術・開発関連

元記事:Google Summer of Code: Faster Ray Tracing - BlenderNation

B@rt氏による記事です。
Chris Want氏が、Andre Susano Pinto氏による Blender のレイトレーサの目覚ましい進歩についてレポートされています。

Chris氏曰く、
Google Summer Of Codes の生徒、Andre Susano Pinto (jaguarandi)氏が、Blender のレイトレーサの改良の作業中です。メンターはコーディング神、Brecht Van Lommel氏。

Andre氏は最近氏のプロジェクトからスピードアップの結果を投稿されました。

http://wiki.blender.org/index.php/User:Jaguarandi/SummerOfCode2009/TestScenes


レイトレーシングは難解なアートなので、私はベテランプログラマの Daniel Genrich氏に、Andre氏が素晴らしい結果をどう達成したのかを誰もが判る言葉で説明するのを助けてほしい、と頼みました。

Daniel氏曰く、
彼はヒント/LCTS(訳注:Longest Common Traversal Sequances)を使用してレイの一致を活用し最後に SIMD を使用する、アダプティブな子のカウントを使用した特別な BVH ツリーに切り替えています。
彼は自ら開発したヒューリスティクスをツリーの構築に使用しており、予想されるバウンディングボックステストの回数を約20%削減しています。彼はこの BVH を "VBVH" や "SVBVH" と呼んでいます。VBVH は SIMD を使用しない時は SBVH よりかなり遅くなります。

あー、確かに私にとってはわかりやすくなっています。!

この Andre氏のプロジェクトの詳細は、下記のプロジェクト企画書と、このプロジェクトの毎週の進行レポートをお読み下さい。

http://socghop.appspot.com/student_project/show/google/gsoc2009/blender/t124021852044
http://wiki.blender.org/index.php/User:Jaguarandi/SummerOfCode2009/WeeklyReports

下記の Andre氏の SVN ブランチからチェックアウトできます。

https://svn.blender.org/svnroot/bf-blender/branches/soc-2009-jaguarandi

このプロジェクトのフィードバックを 2009 Summer of Code メーリングリストから投稿できます。

http://lists.blender.org/mailman/listinfo/soc-2009-dev


以前6月に公開されていたビルドではほとんど効果がでていなかった(正直最適化版の方が速かった)のですが、こちらをみると、日に日に改良されていく様子がうかがえます。
従来の Bleder のレイトレースはお世辞にも速いとは言えなかったのですが、これで弱点が一つ解決されたようです。

残念ながら現時点では公開されているビルドは OSX 版しか見つからなかったのですが、発見次第追記します。



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