意外なことに、ほとんどの人々は作り笑いを見分けるのが苦手です。それを説明できそうな理由の一つに、人々が他人の本当の気持ちを常にわかっているわけではないと仮定した場合、人々に対し、作り笑いでより簡単にうちとけられるというのがあります。

作り笑いは本当の笑いとよく似ていますが、実際には少し違いがあります。それはそれぞれ違う筋肉によりもたらされているからで、これらはコントロールする脳の部分が違います。

脳は作り笑いを作り出す信号を、脳の意識的な部分から発し、ほほの大頬骨筋を刺激して収縮させるため、作り笑いは意志により演じることができます。この筋肉は口角を外側にひっぱります。

一方、自然な笑顔は脳の無意識部分で自動的に作られます。人々が喜びを感じると、脳の感情を司る部分を信号が通ります。同様に口の筋肉が動きますが、その筋肉はほお ― 眼輪筋、眼窩部 ―を収縮させ上にあげ、眼を笑わせ、まゆを少し下げます。

極度な作り笑いでは、時々眼の周りのラインが現れ、ほおが膨らんで眼が収縮し、あたかも心からの笑顔に見えるようになります。しかし、これらの笑顔が本物であるかを見分ける鍵があります。例えば、本物の笑顔では、眼のカバーのしわ ― まゆとまぶたの間の眼によって膨らんだ部分 ― が下がり、まゆの終端が少しさがります。