BlenderArt 第6号リリース!

投稿日時 2006年09月19日 | カテゴリ: コミュニティ・話題

BlenderNation: Blender Art Magazine September 2006 Issue Released
BlenderArtists: Blenderart Mag Issue#6 now available

いつのまにか、BlenderArt Magazine #6が公開されていました。以下は上記の記事中の、編集長である Sandra Gilbert氏による説明の引用です。
6号にようこそ。今回は建築とゲームを特集しています。
私たちの通常のリリースサイクルとスケジュールが衝突するため、この号を少し早くリリースすることにしました。皆さんの最新の Blender の修正に関するニュースや、記事、チュートリアルがすぐに掲載されるのを嫌な人なんていないことはよくわかっていますよ。
次の号では通常の間隔にリリースすることになると思います。

この号では Blender の建築の視覚化や Game Engine での使用について焦点を合わせています。CAD ファイルを Blender に持っていこうとするときに遭遇するいくつかの落とし穴や、これらの問題を乗り切る素晴らしい解決策、Game Engine の探索を取り上げています。また、ギャラリーには、コミュニティの才能に恵まれたメンバーによる素晴らしい投稿画像があります。是非チェックしてみて下さい。

以下は目次です。

Blender Normal マッピング
建築物の視覚化(ArchViz)の Tips と秘訣
2D CAD から Blender へ
教会(Cathedral)のメイキング
Burley Brawlシーンのメイキング
(訳注:マトリックスリローデッドで出てきたシーンだそうです)


以下に内容について簡単にご紹介しています。
まず、P.4とP.5はそれぞれ建築用と Game Engine の Tip の紹介です。たとえば、前者では CAD ファイルの代替に設計図をスキャニングすることや、多用される[Shift]+[S]のスナップ、そして[E]の Extrude などのツールでの数値入力による編集について言及されています。
後者は Object Size を1.0のまま作成しておく、物理演算したい Object の大きさや重さは大体似たような物にしておくことなどの注意事項や、物理演算される Object のスリープ状態(移動しなくなる状態)や、AddObject の制約(Dynamic Object を子として生成できない。親が Actor なら可)などについて書かれています。

P.6は最近のニュースなどです。SIGGRAPH や、GSoCプロジェクトなどもありますが、特集にあわせ、Blender Sprint という実験プロジェクトで、Blender に欠けている建築関連の機能(まともな NURBS サポートなど)を建築や数学、幾何学、コンピュータ科学の分野から教授や生徒を集め、Tyrolean Research Funds を通じて資金援助を得て(いいなぁ(笑))活動しているとのことです。
PDFのURLがなぜか壊れていましたので、こちらに掲載しておきます。
[Bf-committers] Invitation to the Blender Sprint Innsbruck + possible future Blender project in Innsbruck

Blender Normal マッピング
P.7からは Blender による Normal マッピングの実例です。Normal マッピングはモデルを別々の3方向から光を照射して陰影情報を作成(もしくはデータから生成)し、RGBでそれぞれを格納(Normal マップ)し、それをテクスチャとして使用することで、少ないポリゴン数でバンプマッピングのような、そしてさらに立体的な表現が可能になります。
このチュートリアルでは、ハイポリ版 Mesh(〜.hi) とローポリ版 Mesh(〜.lo) を作成し、ローポリ版の仮のUVマップを作成後、DENormGenというスクリプトを使用(このマガジンのZIPにもPDFと共に同梱されています)して Normal マップを生成後、Gimp で緑チャネルの反転して保存後、Blender側で適用するまでが書かれています。

このチュートリアルでは触れられてはいませんが、Game Engine では Python から Fragment シェーダを操作して表示してやる必要があります。Blender ダウンロードページの "Blender 2.42 game demos (graphics)" をチェックしてみて下さい。

建築物の視覚化(ArchViz)の Tips と秘訣
P.12からは建築物の視覚化(ArchViz)の Tips と秘訣です。F-Gon は編集の最後の方で使用すべき、窓のある壁を分割しておくことにより、BeautyFill([Alt]+[F])を綺麗に適用する方法、Curveの使用と問題点などがあげられています。
その他 ACME Masonry Design Tool や Archmap UV Project スクリプトによるテクスチャの活用などが紹介されています。

2D CAD から Blender へ
P.17からは2DCADからのデータについて述べられています。まずはCADから持ってくる準備として、文字などいらない物は消しておくこと、Z方向は平面化しておくこと、1CAD単位=1mにしておくことなどが書かれています。
移動後は Normal の方向を揃えること、mesh2curve.py による Mesh データから Curve データへの変換、最後は街の景観作成で締めくくっています。

教会(Cathedral)のメイキング
P.25からは教会のメイキングですが、これはモデリングなどのチュートリアルではなく、むしろ資料集めや設計、ワークフローの体験談が中心です。この記事はどこから手をつけるべきか迷っている人や作業の効率化を考慮するのに役立つかもしれません。

Burley Brawlシーンのメイキング
P.28からも前記事と似たようなメイキングですが、こちらは Game Engine 用の背景で、Array モディファイアや、Gen3スクリプトの活用、そして2.41からサポートされた Gameメニュー→Use Blender Materials によるマルチテクスチャの適用、そしてRaytrace Baker などによるAO結果の焼付けなどが述べられています。

P.32からは North Carolina State University で行われたサマーキャンプ "Redhat High" のレポートです。ここでは Blender クラスによる授業や、Mac によるプレゼン、CDの配布などが有志の手によって行われたとのこと。
多数の画像が貼られた記事が BlenderArtists に投稿されています。興味のある方はご覧下さい(またもや当方だけかもしれませんがリンクがおかしいので、BlenderArtists のリンクを貼っておきます)。
http://blenderartists.org/forum/showthread.php?t=72236

P.34は Blender Summer Of Documentation の一つ、Introduction to Character Animationのレビュー。キャラクターの作成から始まり、Material、Texture の適用、リギング、Envelope と VertexGroups の比較、そして ShapeKey によるリップシンク、Ipo や NLA などを駆使したショートアニメーションまで、印刷すると150ページにも及ぶ丁寧な説明で構成されているとのことです。

P.35からはギャラリーです。今月はやはり建築物が中心ですね。

P.45には次回予告があります。非常に楽しみです。

以上駆け足で説明しました。英語なので敷居が高いかもしれませんが、この記事がお役に立てれば幸いです。



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