元記事:
Render Changes
レンダラの変更
デュアルスレッドレンダラ
レンダーコードのさらなるクリーニング、特にグローバル変数の除去のおかげで、レンダーコアは二つの別々のスレッドを使用できるようになり、デュアルCPUシステムではほぼ二倍にレンダリングがスピードアップします。
現在の実装はレンダリング時、それぞれのスレッドに担当の(訳注:奇・偶数)スキャンラインを処理させています。Halo(とParticle)のレンダリングだけはまだスレッド化されていません。これは今も古いレンダリングエンジンでポストプロセスを行っているからです。ただし、Unified Render ではこれはスレッド化されています。
スレッドレンダリングは、Scene Context Buttons([F10])"Output" パネルの新しいボタンで使用できます。
高解像度色(high definition colors)
Blenderでレンダリングされるすべての色が32ビットの浮動小数点数の値のみを使用するようになり、4x32ビットの RGBA のバッファにレンダリングするようになりました。バッファが作成された後にのみ、この色が4x8ビットのRGBAにコンバートされます。
Scene Context Buttons([F10]) "Output" パネルに、二つの新しいオプションがあります。
FBufレンダリングが終わっても、この4x32ビット浮動小数点数(Float)バッファを保持し続けます。
Post Processbrightness(add: 明るさ)、contrast(mul: コントラスト)、gamma(ガンマ)、hue(色相)、saturation(飽和度)のメニューです。FBuf がレンダリングされた時、表示されている4x8ビット画像を、これらの値により編集することができます(更新はメニューが閉じた後)。
次期リリースでは、ILM の OpenEXR を使用し、高解像度色の入出力を追加する予定です。
真の Ortho(平行投影)レンダリング
Blender 1.0以来、"Ortho" カメラは実際には、狭い画角(例:lens値の100倍)と、同じ比率でカメラを後ろに移動することによる似非の平行投影レンダリングでした。
レンダリング画像は「平行投影」に見えますが、それでもまだ、少しだけ遠近によるゆがみと、このトリックのおかげで、いくつか他にも問題がありました。
現在の "Ortho" カメラは、真の平行投影画像をレンダリングするようになりました。この新機能の所為により、古い(Orthoレンダリングの)Blenderファイルは、望みの結果に合わせて調整する必要があるでしょう。完全に後方互換性のある変換の実装はできませんでした。
- Ortho の Scale 値
Ortho レンダリングは平行投影を使用するため、Camera の "Lens" 値はその役目を終えました。このボタンは新しい "Scale" ボタンに置き換えられ、画像上にワールド座標をどのぐらいの大きさでマッピングするかを示します。
ある正方形の画像の場合、Scale "10.0" は、10 Blenderユニットが画像全体にぴったりレンダリングされることを意味します。
- クリッピング
以前とは違い、Ortho カメラは、"Clip Start" と "Clip End" 値の間を正しくクリッピングするようになりました。カメラを別の場所に移動することで、クリッピングの開始場所を設定できます。
カメラの移動により、平行投影の大きさが以前のように、変わってしまうことはもうなくなりました。そのため Ortho カメラのアニメーション(ライド映像)もうまくできるようになりました。
- 3DWindow の表示
カメラビューの使用(テンキー[0])による Ortho カメラも正常になり、カメラ自身もビューボーダーの外側に選択可能なりんかくとして描画されます。また、Zバッファの解像度のエラーも修正されました。
- 将来的な課題
この修正を行った主な動機は、3DWindow で、それぞれのビューモード(Camera、Perspective、Ortho)でのプレビューレンダリングを可能にすることでした。プレビュー領域(もしくはドラッグ・サイズ変更可能なプレビューパネル)をどの 3DWindow にも、表示している物のレンダリング用に追加できます。