元記事



プロシージャルテクスチャ

(Procedural Texture)





はじめに



Blenderのプロシージャルテクスチャはずっとひとつのことに苦しめられていました。それはバリエーションのなさです。開発者達はすでに存在するプロシージャルテクスチャを元に、いくつかの違うノイズアルゴリズムを追加することで、この問題を解決するまでの長い道のりを乗り切ったのです。
アーティスト達へ:皆さんはもうcloudsを弄り回さなくてもいいのです! 下記リンクをクリックしてサンプルギャラリーへ行けば、それぞれの新しいプロシージャルテクスチャのサンプルblendファイル、設定もしくは習得ができるのです。

サンプルギャラリー

新しいプロシージャルはeeshlo氏による寛大な寄与によるものです。


新しいNoise Basisオプション



さらに、それぞれのNoiseベースのBlenderテクスチャ(VoronoiとSimple Noiseを除く)は新しい"Noise Basis"の設定により、テクスチャの生成をどのアルゴリズムによって行うかを選択することができます。このリストにはオリジナルのBlenderノイズアルゴリズムも含まれます(Blender Original)。

  • Cellnoise
  • Voronoi Crackle
  • Voronoi F2-F1
  • Voronoi F4
  • Voronoi F3
  • Voronoi F2
  • Voronoi F1
  • Improved Perlin
  • Original Perlin
  • Blender Original


新しいTexureタイプ



Blender2.33の3つの完全に新しいプロシージャルテクスチャが、過去に可能だったものを超えた、無数の興味深いテクスチャの作成に使用することができます。これらはTexure Buttons(F6)のTexture typeのドロップダウンリストによって利用可能で、最初の3つのエントリーとしてリストに表示されます。
  • Distorted Noise
  • Voronoi
  • Musgrave


Distorted Noise(ノイズ変調):



このテクスチャはDistortion NoiseとNoise Basisからなる二つのオプションを持ちます。二つともBlenderのNoise Typeから選択することが可能です。Distortion Noiseは基本Noise(Noise Basis)を選択し、フィルター(Distortion Noise)をかけることでハイブリッドパターンを作成します。また、Noise SizeとDistortion Amountオプションがあり、生成されるノイズの大きさと、Distortion NoiseがNoise Basisに影響する量を調整できます。



Distorted NoiseとCloudテクスチャの組み合わせ例


Voronoi(ボロノイ図):



このプロシージャルテクスチャは7つの距離を計量するオプションを持ちます。これらにより、テクスチャの各セル間の距離を見つけるアルゴリズムを決定します。オプションは以下の通りです。
  • Minkovsky
  • Minkovsky 4
  • Minkovsky 1/2
  • Chebychev
  • Manhattan
  • Distance Squared
  • Actual Distance
Minkovskyの設定はユーザ定義可能な値(Expボタン)で、距離の関数(xe+ye+ze)x(1/e)の指数(e)を決定することにより行います。値が1の場合、マンハッタン(Manhattan)距離計測法になり、1未満だと星状、1より高い値だとセルが四角くなります。

テクスチャ内のセルを違う形にするには、他の4つの設定を使用します。
  • Chebychev - 不規則なサイズの四角いセル
  • Manhattan - ランダムな位置のダイアモンドの形のセル
  • Actual Distance/Distance Squared - 不規則な形の丸いセル
Voronoiパネルの下部にある4つのスライダは4つのWorley定数(説明がWorley Documentationに少しあります)で、これを距離計測法に基づきテクスチャ内の各セル間の距離を計算するのに使用します。これらの値の調整で最終結果に興味深い効果が表れます。サンプルギャラリーにあるこれらの設定と生成されるテクスチャをチェックしてみて下さい。

パネルの上部にはノイズを元に出力するテクスチャの色と輝度を、4つの違う方法で計算する4つのバリエーションボタンがあります。これは、"Worley スライダ"であなたが作成するVoronoiテクスチャに完全に違う表現を与え、他のテクスチャでみつけたnoise basisの設定に匹敵します。

Worleyアルゴリズムについてより深い説明は下のリンク先を参照して下さい。

Worley Documentation



Chebychevオプションを使用したVoronoiテクスチャ


Musgrave(マスグレーブ):



このプロシージャルテクスチャは結果パターンの元になる5つのノイズタイプをベースにすることができ、パネルの最上部にあるドロップダウンメニューから選択できます。 5つのタイプは以下のとおり。
  • fBm
  • Hetero Terrain
  • Hybrid Multifractal
  • Ridged Multifractal
  • Multifractal
これらノイズタイプは対比と大きさが変化しつつある、お互いの最上部にある同じパターンの連続コピーをBlenderが積み重ねる方法を決めます。

さらに5つのノイズタイプに対し、Musgraveはノイズ自身を生成するアルゴリズムを決めるnoise basisの設定を持ちます。他のプロシージャルテクスチャにも、同じnoise basisオプションがあります。

メインのノイズタイプはドロップダウンメニューの下にある数値ボタンで設定できる、4つの特徴を持ちます。

下記がドロップダウンのリストです。
  • フラクタル次元(Lacunarity): Hボタン、0〜2
  • 空隙性(Lacunarity): Lacuボタン、0〜6
  • オクターブ(Octave): Octsボタン、0〜8
フラクタル次元はテクスチャの一つ前の層に関係する層の対比を制御します。フラクタル次元を高くすると、それぞれの層間の対比は高くなるので、テクスチャ内のより細かな部分が表れます。

空隙性はMusgraveテクスチャのそれぞれの層の大きさを制御し、それぞれ追加された層がボタンに表示されている値の逆数の大きさになるということを意味します。例えば、Lacu = 2→大きさはオリジナルの1/2になります。

オクターブはオリジナルのノイズパターン自身に拡縮や対比をフラクタル次元と空隙性の設定とともに何回積み重ねて行うかをコントロールします。

Hybrid Multifractal、Ridged Multifractal、Hetero Terrainタイプは追加の設定があります。3つすべて"Fractal Offset"ボタン(Ofst)を持ちます。これは"海面"の調整と結果のバンプマップの高さの基を示すのに役立ちます。この閾値より下のバンプの値は0で返ってきます。Hybrid MultifractalとRidged Multifractalの両方はGainの設定があり、関数によって作成される値の範囲を決めます。高い数値だと、範囲は大きくなります。これは普通、極端な値がクリッピングされるテクスチャのさらなるディテールを浮かび上がらせる手っ取り早い方法です。

これらテクスチャのより詳しい情報は下記リンク先にあります。

Musgrave Documentation



hybrid multifractalを設定したMusgrave Noise

Change log Indexへ
Copyright Satoshi Yamasaki(AKA yamyam) All Rights Reserved.