コミュニティ・話題
コミュニティ・話題 : Blend×JP 参加記
投稿者 : yamyam 投稿日時: 2016年09月10日 (1227 ヒット)

 非常に遅れてしまいましたが、先月(汗)東京で行われました、Blendxjp に参加してきましたので、その模様を割と適当にご紹介します。
(以下社名・ユーザー名は上記ページの物を元にしています)

 場所は渋谷は恵比寿ガーデンプレイス。すごい場所だったので最初道を間違えたのかと思いましたが、マップを何度見直してもここに間違いないので安心して会場に向かいました。
 なお、このイベントは協賛である Crowd Works の一角を借りて行われました。

 入って認証が終わると、入場タグと怪しげなドリンクをいただきました。このドリンクは後述のLT(ライトニングトーク)に参加された YuichiSato 氏が所属されているKLab によるご提供とのこと。



席の後ろには今回のイベントのポスターが飾られていました。






右側にはイベントの協賛であるパソコン工房による、Cycles ベンチマークデモが行われていました。このベンチマークについては後で資料が配布され、LT にてそのプレゼンが行われました(後述)。



 今回の企画の中心である Saikaya 氏による挨拶と、Blender CloudblenderNPR.org などの紹介、スケジュールや注意事項が説明された後、プレゼンテーションへ。


1.アニメキャラモデリングの一連を30分に凝縮


友氏

 氏の得意とするいわゆるアニメキャラクターのモデリングから完成までのワークフローの解説です。以降都合により(後述)、画面写真なしでお送りします。

 アニメキャラのモデリングから質感、UVまでをたった30分で解説できるのか? と思われる方もいらっしゃると思います。そこで氏はかの「3分間クッキングメソッド」の使用でこれを解決されています。要は解説が進んだらその時点のできあがりが出てくるあれですね。

 基本的には素体をあらかじめ用意しておき、それを元絵にあわせて変形や質感付けしていく流れになります。氏の使用された素体にはリグが作成されており、ポーズがあらかじめつけられています。
 そこからはモデルの修正→マテリアル作成→テクスチャ作成と作業が解説されていきました。以下はその一部です。

・プロポーショナル編集によるモデルの修正
・色を元絵からスポイトで取得
・マテリアルで陰部分とそれ以外を白黒で分け、ノードで色乗せ
・ベイクでテクスチャ化

 余談ですが、前述のように節目節目できあがった物が提示され、最初はそのたびに参加者から笑いが上がっていたものの、最後の方は感嘆に変わっていったのが印象的でした。

 最後に氏からモデリング本の出版予定が公表されました(写真禁止なのもそのため)。氏のツイッターをチェックしてみてください。


2.2Dアニメーターの3D利用法


酒向大輔氏

 現在制作されている2Dアニメーションに3DCGが多く用いられているのはご存じのとおりですが、このプレゼンでは、主に作画における活用方法と、「Blenderを使うと絵がうまくなる!」という持論を解説されていました。
 なお、氏がクライアントに提出されている絵をプレゼンに使用されていることから、こちらも画面写真なしです。

 氏は原画を担当されており、Blender をレイアウトで使用した後、原画で清書というワークフローで作業されているとのこと。車の素材モデルやキャラクタのダミーモデルを配置し、カメラを動かして様々なカットを試すことで構図と選択の自由が生まれ、レイアウトが没になった時もすぐさま代案を提示することができるため、却って時間の節約になっているそうです。アニマティクスに少し似ているかもしれません。

 氏が Blender による制作に切り替えるきっかけとなったのは、手描きだとどうしても個人の思い込みにより、漫画チックになるためだそうで、他にも3Dツールを使用することの利点として、氏は車のドアのアップの構図を例に、思いもよらないアングルや構図が生まれることも利点の一つであると解説されています。

 そして件の「Blenderを使うと絵がうまくなる!」ということについてですが、これについてはアニメーター個人の技量には「画力」と「構成力」があり、Blender での試行錯誤によって後者が上がり、前者にもフィードバックされるということだそうです。

 氏は以下のような利点を上げ、Blender の2Dアニメーションへの導入を提案されていました。
・オープンソース
・導入コストが低い
・学習の反映が早い
・画力のリフトアップ
・レンダリング不要なのでミドルスペックPCでも使える
・動きを作ってからカメラワークを決められる
・最短距離で頭の中のイメージが映像になる
・絵を描くのが楽

3.漫画のためのBlender解説―週刊連載を切り抜けるためのタフなワークフロー


藤原佑介氏
 タイトルどおり、このプレゼンテーションでは週刊漫画の原稿作成における Blender の利用について解説されています。

 まずは氏の作品と Blender(3DCG)が使用されているシーン、そして漫画原稿に至るまでのプロセスを紹介。



 週刊という非常に忙しい作業を切り抜けるため、氏は「高速かつ確実製作の負荷を限界まで下げる」という方針を掲げられており、単純な処理にすること、完璧でない部分を描きスタッフにによるチームプレイで補う、クオリティアップは余剰で行う、と解説されています。



 次に Blender による基本的な処理について、以下のような TIPS を交えて解説されていました。
・事前のトーン用マテリアルの割り当て
・建物のグループ化と別ファイルからの再利用
・シフト機能とレンダーボーダーによる必要部分のレンダリング
・3Dからソリッド、エッジ、フラットカラーの各レイヤへのレンダリング
・2Dペイントツールとの連携とエッジの取捨選択





 他の3Dツールを持つペイントソフトではなく、Blender を使用する利点についても以下のように挙げられていました。
・ポリゴンがそのまま線にでるシンプルさ
・カメラの操作性
・シーンの拡張性
・豊富な3D機能(リグ、物理演算など)が利用可能
・Marverous Designer などの外部ツールも利用できる



 そしてワークフローについて解説。また、氏はスクリプトでツールも自作することで、作業の一部を自動化されています。
https://sites.google.com/site/ghostbrain3dex/





 氏による Blender についての Togetter まとめもあります。そちらもごらんください。
http://togetter.com/li/945844

4.拝啓、Freestyle様(村川和宏氏


 前述の藤原氏と違い、こちらは Freestyle による漫画表現、特に描線の追求が主となっています。
 まずはFreestyleによる作品の紹介と、他のツールや方法による描線の生成と比較。



 Freestyle にも弱点がもちろんあり、設定の煩雑さ、低速、描線が途切れる、Nゴンとの相性の悪さ、ポリゴンが透けるバグ、透過ポリゴンの奥側がレンダリングされない、面の交差で線が出ない(ブーリアンモディファイアーにより回避可能)などを挙げられています。
 これらの弱点に対し、氏は問題を回避するモデリングを行なったり、ローポリでの作成を心掛けているとのこと。



 しかし、氏は豊富な線の表現力に魅せられ、漫画に使用することを決意されたとのこと。ラインスタイルモディファイアーはもちろんのこと、テクスチャなどの Freestyle 以外の機能も利用し、表現方法を模索されているそうです。下は最初の方にご紹介した宣伝ポスターです。





 実はここで撮影用デジカメの電池が途中で切れ、急遽スマホで撮影したため、画像が少なくなりますがご了承を。

5.仕事で使うBlenderのカメラトラッカー(kurono73氏


 kurono 氏は以前「naoki」というHNで当サイトにご投稿されていた方で、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

 氏は現在、フリーランスで主にマッチムーブを行われており、仕事の95%に Blender を使用されているそうです。中にはかの某有名特撮映画の制作も含まれているとのこと。
 タイトルとおり、Blender はトラッキングツールとして利用されており、Blenderでトラッキングと調整を行った後、FBXで出力して Maya などでレンダリング、というワークフローだそうです。

 Blender を使用する理由としては、性能的に劣らないこと、3Dシーンの構築が楽、作業効率が高いこと、どこでも使用できること、あとは氏が慣れていることなどが挙げられており、一方で、ズームレンズやオートトラッキングがないという弱点もあるとのこと。



 その後トラッキングの実演に入り、以下のよう
なTipsを披露されていました。
・キャッシュ・プロキシの活用
・オブジェクトトラッキング後のコンストレイントによるスケール値の補正
・blenderのレンズ歪み補正
・カメラトラッキングとオブジェクトトラッキングのスムージング
・1カメラのみの動画のトラッキング
・カメラ情報が曖昧
な動画からスペックを得る方法




6.走れCycle'sRender!?昨今のトレンドレンダーとの比較?(Hayashihikaru氏


 トリを務めるのは、Vray に携わっていたというハヤシヒカル氏。Cycles と Vray、Renderman を長所と短所の解説をされました。

 まずはCyclesの歴史から始まり、Cycles にはディフューズが早い、マシンを増やせば簡単に高速化できるという利点があり、一方で間接光が苦手という欠点があるとのこと。
 次に Vray にはシェーダーノードが多機能で比較的シンプルなノードツリーになる、コースティクスの収束が早い、などの利点がある一方で、レンダーレイヤーが直接扱えない、サンプルの調整が直観的でない、日本語チュートリアルがほぼ皆無、ライセンスが一台毎などが欠点として挙げられていました。
 また、Cycles とは違い、面をエミッタ―とするとノイズが多いため、エリアランプを使うなどの TIPS も紹介されていました。
 Renderman については Vray と違いコンポジターが使え、非商用版では無料で使用できる利点と、チュートリアルが少ないなどの欠点を挙げられていました。


■ライトニングトーク発表会


 ライトニングトークとは、5分程度の短時間で行うショートプレゼンテーションです。

●teto_tomoyo 氏による自作画像と動画、ゲームの紹介
 当サイトにもご投稿いただいている kokukokutei 氏のプレゼンです。
 氏の静止画や動画、そして作成中のゲームの紹介をされていました。
 氏のサイトで作品が閲覧できますので興味のある方はどうぞ。



●YuichiSato 氏によるスマホゲーム開発での Blender 活用事例
 最初の方でご紹介した KLab 社に在籍されている氏は題名のとおりスマホ用のゲームを開発されているそうですが、実際には開発のワークフローで直接 Blender を使用することはなく、テクスチャ作成や仮データ作成、学習に利用されているとのこと。
 しかし今後は Blender ユーザーも増え、こういった状況も将来的には打開されていくのではないか、という結論で締めくくられています。

●Takuro Wada 氏による Python + Blender
 Pythonから自動生成されたモデルや、音声から変換したモデルを3Dプリンタで出力したり(下図)、自画像を取り込み、Minecraft の地形に変換するなどの事例を紹介されていました。
 3Dプリンタから出力した自動生成モデルについた大量のサポートの除去の画像が笑いを誘っていました。




●arafune 氏によるMV紹介
 Blender で作成されたミュージックビデオが紹介されていました。撮影は禁止だったので残念ながら作品についての画像はありませんが、どれも素晴らしい物でした。

●クラウドソーシングについて
 会場を提供されている Crowdworksのクラウドソーシングサイトの紹介。
 イベント中では残念ながら blender の職はなかったそうですが、以前に1件あったそうです。

●レンダリングに最適なスペックを探ってみた
 最後はパソコン工房による、Cycles に最適なスペックの検証のレポートです。なんと、GTX970が最もパフォーマンスが出るという驚きの結果に。
 ただ、現在テストビルド版が公開中の2.78では1060、1070、1080への対応や、GTX980Tiのパフォーマンスへの修正が入っていますので、現在は結果が変わっている可能性もあります。不安
のある方は問い合わせてみるといいでしょう。



熱意のこもった非常に細かい調査表

 また、現在開催中のデザインコンテストについても触れられていました。
https://www.rinkak.com/jp/contest/level_infinity_airventhack

 プログラム終了後、ビュッフェ形式によるパーティが行われ、イベントは無事終了しました。

 その後、主催者やスタッフ、パネラーの方々と反省会に参加しましたが、皆さんの熱気に押されっぱなしでした。参加してよかったと思えるイベントでした。


■終わりに


 この後、私は諸般の事情により高速バスでとんぼ返りしたのですが、二日続けてバスに乗った所為か、帰宅後ぎっくり腰を患ってしまい、結局数日を潰す羽目になってしまいました。
 今回のいくつかの講座にもありましたが、一見遠回りに見える手間や工程を入れることにより、却って近道となることがあります。もちろん、その過程のコストも計算しないといけないのですが、目先のことにとらわれず、トータルで考えることの重要さを痛感次第です。
 と、なんかええ感じにまとめてみましたがいかがでしょうか。


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